米国はグリーン化に舵を切ったと国民に呼びかけた歴史的演説、しかし日米メディアは無視
オバマ大統領は6月25日に予告通り、ワシントンのジョージタウン大学で環境スピーチを行った。折からの32℃の暑さの中、大学キャンパスの屋外でのスピーチとあって噴き出す汗を拭いながらで、地球温暖化が進んでいると言う内容にはぴったりであったし、大統領の真剣さが良く伝わって来た。
その具体的内容は、まず米国のCO2大気汚染(今回のスピーチからCO2 Polution = CO2公害と言う言葉を使っている)をカットする。2020年までに現在米国のCO2の40%を排出している発電所等のエネルギー部門で、過去20年の最低レベルに戻す。しかし、経済成長は続ける。その為にオバマ政権は、CO2に対し、過去に水銀やヒ素などの有害物質に対して行ったと同じような規制を掛けて削減を行う。これは子供や孫達の為である。経済成長は、低エネルギー住宅や低エネルギービルディングの技術をアメリカ製グリーンエネルギー技術として世界に販売し職場の確保を行う。
■環境保護局(EPA)と各州が緊密に連携し合い、CO2大気汚染対策標準を作成し規制する。
■80億ドル(8000億円)の長期保証をエネルギー効率向上の為の技術開発に対して行う投資に対して行う。
■2020年までに600万世帯に太陽光発電パネルと水力発電、社会保障住宅に100MWの再生可能エネルギー、軍関係の施設に再生可能エネルギーを設置する。
■商業ビル、工場、集合住宅の低エネルギー化をはかり、2020年までに20%のエネルギー削減を実現する。
■これらを実行する事で、2030年までにCO2排出量を30億トン削減する。
■産業とのパートナーシップで大型トラックの燃費の改善を2018年までに達成する。
■代替フロン等の地球温暖化効果が大きなHCFCなどに代わる冷媒の開発と、メタンガス対策を行う。
その他、気候変動危機に備える準備、気候変動に対する国際協力のリーダーシップをとるなど、アクションプランが発表された。
今回の、気候変動対策はCO2を過去の水銀やヒ素などの毒性物資による公害と同じ様に扱う事で、新たな法律を作る必要が無く、行政として規制が行えるので議会で共和党との交渉をする必要が無いとしている事である。
これに対し、共和党、産業界、市場の反発は強く、まず今回のオバマ演説をアメリカのメディアが無視する事からはじめたようである。当然、日本のメディアも一緒になって無視している。
オバマ大統領の演説の全文(英文)が読めるURL:
http://ens-newswire.com/2013/06/25/president-obamas-climate-change-speech-full-text/
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