意外と冷静な反応の米国市場とメディア、当然猛反対だが迫力に欠ける共和党
ブログ管理人
6月25日のオバマ大統領の環境アクションプランは、多岐多様にわたり、全体として地球温暖化ガスの排出量を減少させる政策となっており、現在すでに現実のものになっている気候変動の被害を少しでも緩和したいとしている。
重要な事は、2020年までに2005年を基準としてマイナス17%のCO2排出量にする事を国際公約として、これを約束している事を再確認していることである。
この目標値は、達成可能である事は科学的に検証されているが、政府、企業、国民があらゆる分野で多大な努力が払われる必要がある。火力発電所、省エネ、HFC等の冷媒、メタンガスなど、これら全てに渡って対策が行われる。
このスピーチでオバマ大統領はCO2を、過去に公害問題の原因となった水銀やヒ素などの有害物質と同列に扱い、EPA(連邦環境保護局)の監督分野としていることである。その為に火力発電所のCO2排出量に制限をかけることがEPAによって可能であり、新たな法律は必要としない。これにより野党共和党、市場、産業が反対することを封じ込める事に成功している。
そして、アフガニスタンからの米軍の撤退後の世界におけるプレゼンスを環境問題への戦いのリーダーシップを取ると言う形で守ろうとしている。すでに中国、インドとは省エネルギー、排出ガス削減で協力関係を締結している。
このスピーチにはじめは冷たかったアメリカのメディアであるが、ウオールストリートジャーナルは意外と冷静に受け止め、現実的であるとの評価も見られる。当然、石炭産業や電力会社の株は下がっているようであるが、予想されていた猛反発は出ていない。共和党の議員はメディアで経済的損失や温暖化懐疑論を述べているが、いまひとつ迫力に欠けるのは世論がオバマ側に有るからであろうか。
オバマ大統領と対照的なのは安倍首相で、彼は石炭火力発電所や原子力発電所を世界に販売して30兆円を目標としている。三菱、日立、東芝と言う重厚長大のエネルギー依存産業を守りたい一心の安倍首相と、オバマ大統領の接点は見いだせない。これから安倍首相と仲良くしたいと考えているのは、G8でやはり蚊帳の外だったプーチン大統領であろう。ロシアと日本が手を組んで地球温暖化懐疑論のキャンペインでも始めるのか。それにしても、日本のメディアがこれを取り上げないのはどうしたものであろうか。
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