NYCのエンパイアステートビルは省エネ改築のモデルになった
GreenBiz.com 2013-06-29より、
小ブログでも何度かニューヨークのエンパイアステートビルの省エネ改築については書いて来た(2011/10/17, 2012/6/17, 2012/9/16, 2013/1/4)が、このビルの省エネ・レトロフィット(改築)が、大変効果的であった為に、全米に省エネ改築の波が起きようとしている。
省エネ改築が終わって２年目となる2011年には、契約上約束された省エネを5%(2億4千万円分)上回り、来年は4%上回ると予想されている。
エンパイアステートビルの省エネ改築は８つの主な領域から構成されている。��6514個の窓枠を断熱仕様に交換。��暖房用ラジエータ設置場所の断熱。��エアコンを高効率の機種に交換。�ぅ灰鵐團紂璽秦躪腑咼覺浜�システムの導入。�ヅ杜藁繕發�直読できる電気メーターを全テナントに設置して、電力の見える化を実施。�Ε咼覺浜�システムをホームページから見る事ができるシステムの導入。�Ь般世�100%LED化。��68基ある全てのエレベータを電力回生システムのついた高効率システムに交換。
これらのレトロフィットに掛った予算は5億5千万ドル(550億円)である。省エネ・レトロフィットを請け負ったジョンソン・コントロール社は年間2千万ドル(20億円)の省エネを保証しており、もしも改修後に省エネがこの金額に達しなかった場合には差額を補償すると言う契約になっている。
既に、ジョンソン・コントロール社はこれをモデルにしたプロジェクトを全米70の物件で受注している。その中には、ニューヨークとニュージャージー市の港湾局ビル、サンフランシスコの歴史的建造物であるピアNo.1、同じくサンフランシスコのモスコーンセンター、シカゴのユニオンステーション等が含まれている。
アメリカのエネルギーの40%は建築で消費されており、建築物の75%は大都市に集中している。もし、ニューヨークの全てのビルが省エネ・レトロフィットを行ったとすると、年間400万トンのCO2排出が削減されることになり、これは石炭火力発電所一基分(原発一基分と同じ)に相当する。
日本では、原発の再稼働や石炭火力発電所を最新型に改築するなどのエネルギーを作り出す事しか話題にならないが、ビルの省エネ改築をする事は発電所を作るより大きな効果が得られ、環境負荷も少なくできる。電力村とそこに群がる電機メーカーや建築メーカーの売上げが減るので、彼らには不利になる。しかし、エネルギーは新たに作り出す事を考えるより、少なく使う方法に投資をする事の方が環境に優しく持続可能性がある事を知るべきである。
原文(英文)URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2013/06/29/empire-state-building-retrofit-new-projects
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ビルの省エネ改築の波
