世界ではスマート交通システムの競争が始まっている
GreenBiz.com 2013-07-03, Heather Clancyの記事より、
グーグルは6月、イスラエルで起業したドライバーにリアルタイムで交通情報を送るシステムを開発しているWaze社を、10億ドル(1千億円)で買収する計画であると発表した。なお、この買収は、今後急成長する市場であるとの判断から、連邦取引委員会(FTC)の審査対象とされ、現在審査中である。
交通情報システムに詳しい、ナビガント研究所(Navigant Research)の試算によると、都市交通管理システムへの投資は、無駄な燃料消費を削減しようとする、スマートシティー構想が広まる中、2011〜2017年の間に131億ドル(1兆3千億円)になるとされている。交通渋滞による燃料の浪費は、年間全米で約1千万トンと推定され、車通勤者一人当たりにすると、年間818ドル(8万2千円)の支出になっている。
Waze社のスマート交通システムはこれを解決する手段となる。Wazeに登録したスマホやiPhoneは絶えずセンターに位置情報を送っている。同社によると「ユーザーの周りの何10万人の人がリアルタイムで道路状況を教えてくれる」のである。
現在、5千万人のWazeユーザーが刻々変わる世界の交通情報地図を作っている。グーグル社はGoogle MapにWazeの情報を加えて、さらにパワーアップを図ろうとしている。
Waze社以外にも、交通情報システムを携えて起業した会社はある。スペインのRoadSolve社は、スペインの高速道路の幹線部分総延長1500kmをカバーするサービスを提供している。車に搭載されたモバイルデバイスからの信号で、車の流れや混雑の様子を、車線単位で把握して各道路の車速と目的地までの所要時間を50mの解像度でドライバーに知らせる。
米国カリフォルニアのIteris社は1993年からインテリジェント交通システムの開発を行っており、個人向けの交通情報サービスを提供している。ユーザー毎に合わせた交通情報や近隣の事故情報をリアルタイムで知らせている。
米国ワシントン州カー区ランドのINRIX社は、世界1億台の車にセンサーを搭載しており、35カ国でサービスを提供している。パートナー企業としては、Audi、BMW、BBC、フォード、マップクエスト、マイクロソフト、トヨタ、ボーダフォン等が入っている。同社の情報は不動産業界でも使われており、顧客が希望する物件から勤務先までの通勤時間の詳しい情報を提供している。
日本では、国交省の発表では年間38億時間、一人当たり30時間の述べ渋滞時間があり、首都圏では運行している車の25%は止まっているとの報告もある。スムースな交通の確保の為に更に道路を作って行くとは書かれているが、国交省の計画では少なくとも1年に一回は調査用車両を走らせてデータ収集を行って実態把握をするとの事で、リアルタイム交通情報システムの構築は考えられていないようだ。国交省としては道路をつくる事が先決のようで、やはり世界とは方向が違う。
原文(英文)URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2013/07/03/3-upstarts-fighting-gridlock-smart-traffic-services
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