高効率の新幹線技術が有るのに、低効率のリニア新幹線を採用
ブログ管理人
200km 〜500kmの距離を移動するのに一番早い交通機関は高速鉄道であると言うのは、常識である。自動車なら、2時間から6時間かかり、飛行機だと正味のフライトタイムは200でも500kmでも約1時間である。と言うのは飛行機は巡航高度に達するまで約20分、巡航高度を離れて着陸までが25分掛るので、例え1000km/hで飛んでも変わらない、その上飛行機に搭乗するにはセキュリティーチェックなどが有る為、出発時刻の2〜30分は前に空港に行く必要がある。その上空港は都心から離れているので、高速鉄道が一番早い。
ところで、東京―名古屋―大阪間にリニア新幹線を作ると言う計画が進められている。総工費は9兆円で、東京―大阪間が67分になると言う。
ブログ管理人の興味は専ら、リニア新幹線の環境負荷はどうかと言う事であるが、電力消費についてはかなり以前から議論が有ったようである。1989年に朝日新聞がリニア新幹線は現在の新幹線の40倍の電力を消費すると報道し、当時大問題となった。それに対し、JRは40倍は昔の宮崎の実験線でのデータであって、最新の技術では5倍に過ぎないと、胸を張って答えている。ブログ管理人は全てを1/5の電力にしようとやっきになっているので、5倍では困るのである。
リニア新幹線は、その名の通りリニアモーターと言う駆動方式で動く。車輪を電気モーターで回転させるのではなく、磁石の反作用で車体を浮かして(磁気浮揚)レールの間に敷き詰められた磁石を、電車の床の底にある電磁石の力で引き寄せたり押したりして電車を動かす。都営大江戸線はリニアモーターで動いている。回転型のモータに較べ隙間が多いリニアモーターは電力ロスが大きく30%は電力ロスが有る。このロスは熱となるので、全面トンネルのリニア新幹線では、この熱を取り去る為に冷房のエネルギーが必要である。とにかく5倍の電力が必要で、東京―大阪のリニア新幹線は石炭火力発電所1基分くらいの電力が必要である。現在の新幹線は1/4個位で運転している。
現在の新幹線は乗車率55%で、ここ数十年横ばいであり、今後は人口減少が見込まれる日本では輸送量の問題は無い。2011年5月に行われたパブリックコメントで888件のコメントのうち、648件が計画中止か再検討を望んでいる。それでも同月2014年着工が決定されている。
ドイツは、リニア鉄道から発せられる強力な磁力線の身体への影響が検証されていないと言う理由で断念している。中国も、健康への影響を理由にデモが起き、長距離線の着工は棚上げにされたままである。
新幹線の老朽化が心配なら、その対策を本格的にやる事が先決でそれには9兆円は掛るとは思えない、なにも電気を5倍消費するリニア新幹線にする必要は無い。
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