中国、核燃料工場計画を中止…デモで異例の撤回
2013年7月13日22時50分 読売新聞電子版より、
【広州=吉田健一】中国広東省江門市で核燃料加工工場の建設に地元住民が強く反対していた問題で、建設予定地である同市鶴山地区の当局は13日、建設計画の中止を発表した。
同市では12日に大規模な反対デモが起きたばかりだった。原発推進を国策としている中国で、住民運動によって原子力関連の計画が撤回されるのは極めて異例だ。
鶴山の当局は13日に開いた記者会見で、「社会各層からの意見聴取では、建設反対の声が強かった。住民の意見を十分に尊重し、計画の申請は受け付けない」とした。この施設は総事業費370億元(約6000億円)で、同市に巨額の税収をもたらすとされていた。
建設計画を巡り、当局は今月4〜13日の日程で住民の意見聴取期間を設定。12日の2000人規模のデモを受け、10日間の延長を決めた。しかし住民側が14日にもデモを行う構えを見せたため、「社会の安定」を最優先した当局は計画撤回を余儀なくされた。
原文URL:
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130713-OYT1T00935.htm
連日、中国関連の話題になってしまっているが、このニュースの10時間前には、「中国で異例の反核デモ、燃料加工工場建設に反対」との見出しでデモがあったとの報道が有ったばかりだ。それによると、「環境や健康への住民意識が高まっていることに加え、福島第一原発事故で原子力施設への不安感が増していること」が背景にあるとし、「デモ隊は市政府庁舎前の道路に陣取り、『核汚染反対』『GDP(国内総生産)より命が大事だ』などとシュプレヒコールを上げた。」とある。
現在の政治体制の中国では市民が自発的にデモを行ったとは考えられず、世論作りの為の官製デモである可能性が高い。核燃料加工工場の建設を止めると言う事は、今後原発の新設は行わないと見る事ができる。これを見ても中国が、エネルギー依存から脱却して持続可能な開発、つまり「グリーン経済」への移行を本格的に模索していることは明らかであると思われる。 |