高効率都市交通システムは70兆ドルを節約する
ENS newswire 2013-07-15より、
大都市の交通が消費するエネルギーは2050年には現在の倍になる。しかし、高効率都市交通システムに転換する事で70兆ドル(7000兆円)が節約できると言う見通しが、最新の国際エネルギー機関IEAから発表された。
IEAの専務理事のマリア・ヴァン・デア・ホ―フェン(Maria van der Hoeven)は、「省エネは、隠された燃料である。未来のエネルギー安全保障と持続可能な環境を実現する鍵である。」と語った。
IEAは、省エネを推進する為に、高効率公共交通機関や自動車の燃費向上を政策として行う事で、現在から2050年までの間に累積で70兆ドルが節約可能であるとの試算を発表した。
この度発表されたのは「再生された都市の物語」と題され、世界30の都市を例にどのように都市交通の省エネを目標とした、都市計画で低炭素社会の実現ができるかを報告している。
現在、35億が都市部に居住しており2050年には63億が都市部で生活するようになると予測されている。現在全石油消費の半分は交通機関が消費している。このままの形で行くと、2050年には都市が消費する石油は倍になる。
都市部の自動車の保有台数は増加の一歩であり、殆どの大都市は交通渋滞を起こしており、全ての自動車を低燃費のモデルに変えて行く事は緊急課題であるとしている。都市部の交通は、都市をリデザインすることで、自動車から公共交通機関や自転車に移して行かなければならない。
ヴァン・デア・ホ―フェン氏は「世界は、今ターン二ングポイントに立っている事を知らなければならない。20世紀はモータリゼーションの時代であったが、21世紀は省エネ交通の世紀に入っている。」とし、「止める、替える、改善」をIEAは推進して行くとしている。
「止める」は、テレプレゼンス等のITを利用してできるだけ移動はしない。
「替える」は、より省エネな交通機関、公共交通機関、自転車、徒歩に乗り替えることで、その為に都市のリニューワルが必要としている。
「改善」は、より効率の良い燃料の開発、ハイブリッド・トラック、グリーンディーゼル、プラグイン・ハイブリッド等の開発を行うことである。
IEAはもともと先進国(石油の消費国)が安価な石油を十分に使えるようにと作られた機関であるが、今は目的がエネルギー安全保障、環境保護へと変わっている。変わらず、エネルギー増強、経済成長を目標としているのは日本だけのようである。
原文(英文)URL:
http://ens-newswire.com/2013/07/15/energy-efficient-transport-could-save-cities-70-trillion/
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