ハイテク風力貨物船の開発を手掛けるロールスロイス
Sustainable Business.com 2013-07-13より、
ロールスロイスと言えば、高級乗用車ブランドとして、また航空機用ジェットエンジンメーカーとして有名であるが、大型船舶用エンジンメーカーとしてもその名を馳せている。
ロールスロイス・マリンはアイルランドのゼロ・エミッション船会社を目指す、B9シッピングと共同でゼロ・エミッション貨物船の開発をしている。B9シッピングはゼロ・エミッション企業B9エナジーの子会社である。
現在開発中の貨物船は、角型全自動セールを艤装したマストを3本備え、補機としてバイオメタノール・ディーゼルエンジンを備えた、全長100メートル、貨物積載量4500トンの貨物船で有る。燃料のバイオメタノールは、都市排水から作られたものである為に、CO2排出量は計算されない為にゼロ・エミッションである。
ハイテック帆船のシステムは、1960年代にドイツの油圧技術者ウィルヘルム・プロールス(Wilhelm Prolls)によって開発され、イタリアの船会社ペリーニ・ナビ(Perini Navi)によって建造された。豪華帆走ヨット、マルティーズ・ファルコン(Maltese Falcon)は、3本マスト、2400平米のセールの90m級クリッパー(快速帆船)は2006年に処女航海を行い、現在は個人所有の豪華ヨットとして運行されており、その全自動帆走システムは実証済みで有る。
この帆走システムは、セールの上げ下げ、角度調整はブリッジから遠隔操作で行われリギン類は無く、人力は必要無い。セール角度の調整はコンピュータ制御で常に最適調整がされ、最大の風力パワーを取りだす。無風時には補機のロールスロイスのマリンディーゼルで、B9エナジーが都市廃棄物から作ったバイオ・エタノールを燃やして機走する。
マルティーズ・ファルコンの実績から、60%は帆走、40%は機走となる。いずれの場合も最高速度は20ノット(36km/h)の実績であった。
原文(英文)URL:http://www.sustainablebusiness.com/index.cfm/go/news.display/id/25045
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