大量エネルギー消費こそ美徳とばかりに生まれた製品
ブログ管理人
ドイツの環境学者ヴァイツゼッカー博士の近著「ファクター5」では、豊かさはそのままにしながら、エネルギーは1/5にする社会を作ろうと書かれている。ブログ管理人達のボランティアグループは、この本の日本語版を現在制作中である。
当然、この本は欧米での生活を基本に書かれているので、読んでいると日本には欧米には無い、エネルギーの無駄遣いが多々ある事に気付かされる。
第一は小ブログでも何度か書いた、飲料水の自動販売機である。全国に600万台あり、これだけで、原発2基分に相当する。
次は、保温型の電気ポットである。これは、4リットル型だと400kWh/年の電力を消費する。最新の省エネ型3リットル型でも250kWh/年と大きい。必要な分だけ湯を沸かすケットルだと、1kW型の電気ケトルで、一回200ccを沸かすのに1.5分かかるので25Wで、一日2回使って1年で約20kWhと少なくて済む。年中通電する程無駄な電力を使うものはない。保温型の電気がまを使っている人もまだ多いと思うが、これもエネルギー消費が多い。
トイレ事情も日本はユニークである。温水洗浄トイレは日本の大発明であるが、この普及率が65%にもなっている。5000万世帯のうち3200万世帯がシャワートイレである。これだけで、年間140万kWhの電力を消費し、32万トンのCO2を排出している。この電力の80%は便座ヒーターである。
信号機の多さもユニークである。欧州では、信号機の無いランナバウトと呼ばれる円形交差点がほとんどである。日本では全ての交差点に信号を付けようとしているのかと思うほど信号が多い。全国に20万ヶ所の信号機付き交差点が有り、消費される電力は60万kWで、原発半分位の電力を消費している。
最もひどいのは、電気温水器でこれは電力会社が夜間電力を売りつける為に考え出したもので、エネルギー損失が最も多く、欧州のいくつかの国では法律で禁止している程である。
日本は、本格的に省エネを行えば、簡単に30%は節電ができる。54基の原発全部が動いていた頃に24%であった原発分は十分に節電できる。そして、建築物を外断熱にすれば、さらに20%は節電でき旧式の石炭火力も5〜60基は廃止できる。当然、電力会社の規模も縮小されるので、優秀な人材はグリーン産業への移行することが可能である。
日本は、言われているような乾いた雑巾状態では絶対にない、省エネできるところが山ほどある。生活の豊かさを犠牲にする必要は全くない。
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