夏のピークを乗り切るオンデマンド・レスポンス
GreenBiz.com 2013-07-26 Jonathan Bardelineの記事より、
米国を襲った熱波は2週間前にピークを記録した。東西海岸の電力会社は、電力供給が間に合うかどうか心配が有ったが、今年は各電力会社はデマンド・レスポンスと言う方法で乗り切ったようだ。
ニューヨークのコン・エジソン(Con Edison, 創業1823年の電気、ガス、スチーム供給を行っているエネルギー大手企業)は、2週前の7月12日(金)にピークをむかえ、13,322MWを記録したが、これはデマンド・レスポンスによって約500MWが節電された結果であったと発表した。
デマンド・レスポンスはまず、事前に契約者と電力会社がデマンド・レスポンス契約を取り交わすが、この契約では、時期と時間毎に細かく電力料金が変わる。方法には2つあり、ひとつ目は電力会社が事前に時間を指定して来て、契約者はその時間電力の使用量を減らす。契約者にはそれに応じた報奨金が支払われる。
ふたつ目は、契約者のエアコンに小型の機器が設置され、この機器はコン・エジソンからの信号でエアコンをオンオフすることができる。但し、契約者が協力したくない場合は、PCやスマホからオンにすることができる。その場合、報奨金からその分が差し引かれる。ニューヨークの650万世帯にはこのスイッチが設置されており、今回はこれにより90MWが節電された。
多くの大口需要家は、すすんでデマンド・レスポンス契約をしており、今回400MWが節電された。コン・エジソンでは大口需要家に対し、省エネ方法を相談にのり、設備の点検を無料で行い省エネの為の改善提案を無料で行っている。
フロリダの公共ユーティリティー社は、無料の省エネ点検で、効率の良い照明方法やエアコン設備の改善提案を行っている。オクラホマ、ガス電気ホームエナジー社は無料のエアコンと冷蔵庫の点検修理を行っている。
カリフォルニアのパシフィック・ガス電気社(PG&E)では、契約960万世帯にスマートメータが設置されており、15分毎に各家庭の電力使用量が送られてくる。このデータは毎月の請求書と共に、毎日の使用量の変化としてユーザーに通知される。PG&Eは、ユーザー毎に何時どの位使うと、次の料金カテゴリーになるかを予告している。又、次の月のどの時間の電力が安いか等の予測もしらせており、このデータを見る事で、ユーザーは消費計画を立てることができる。これにより、ピーク時の需要が下がり、需要の平坦化も進んでいると言う。
米国の消費者意識は急速に変わりつつあるようだ。グリーン経済へのシフトの準備は着々と進んでいる。
原文(英文)URL:
http://www.greenbiz.com/news/2013/07/26/5-ways-utilities-fight-peak-summer-heat
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