持続可能性時代の電力網はマイクログリッド(分散化電力網)に
GreenBiz.com 2013-08-01, Laurie Guevara-Stoneの記事より、
開発途上国には電力のマイクログリッドが適している。これまで、国が発展する為には発電所などのインフラ整備がまず必要とされていたが、そのパラダイムは変わろうとしている。
エクアドルの小さな町の市場には、婦人が遠くから自分で作った野菜を担いで裸足で歩いて売りに来ている。まるで、時代が逆戻りしたかのようだ。野菜を見定めていると、携帯電話の呼び出し音がなり、反射的に自分の携帯を見たが着信は無かった。見ると野菜売りの婦人が携帯電話で話を始めた。
恐らく、彼女の住む村落にはトイレも無いし、もちろん電気も無い。固定電話等見た事もないであろうが、すでに携帯電話は生活にしっかり根付いて、必需品となっているようだ。
世界では、携帯電話が増え続けている。開発途上国には固定電話は広まらないであろう。このパラダイムは電力にも言えそうである。電力のマイクログリッドが主体になると思われる。発電所、変電所、送電線、鉄塔などのインフラは巨額の投資を必要とする。広い地域に分散した小さな集落にまで、電力線が届くことが有るだろうか。
何枚かのソーラーパネルと蓄電池とコントローラで構成された小電力太陽光発電所が提供するマイクログリッドが、貧乏な小さな村落にに希望を運んでいる。2011年には世界で350kWであったマイクログリッドは、2017年には1.1GWになると推測されている。
インドの多くの地方には電気が無い。6100万世帯が石油ランプで明りを灯している。コロンビア大学地球研究所が開発した、シェアードソーラー(Shared Solar)は、ソーラーパネル、蓄電池、コントローラー、電気メータで構成され、10〜20世帯の集落に適した装置である。使った電気は、メーターによって請求され、たいていの場合これまで石油を販売していた石油店が受け取っている。
キューバの電力網は整備されており、96%の世帯に繋がっている。しかし、ハリケーンに襲われる度に送電線に被害が出て広域が停電していた。キューバ政府は現在11ある旧式の火力発電所をリニューワルはせずに、1854のディーゼル発電所に置き換え、マイクログリッドに変更した。合計電力は3000MWである。これで、ハリケーンでも広域が停電する事はなくなった。
今後、省エネが進み消費電力は少なくなる一方で、再生可能エネルギー発電プラントが増え、デマンドレスポンスやスマートグリッドが発達すればますます、電力量は少なくなる。現在の電力会社の存在意義は無くなり、原発の廃炉と核廃棄物処理が主な仕事になる。
原文(英文)URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2013/08/01/how-microgrids-can-help-developing-nations-leapfrog-landline
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