エネルギー転換は既成の事実、転換に至る経過に厳しい監視の目を望んでいる
Ensys AGのアンケート調査結果2013-08-05より、
ドイツ人のエネルギーに対する意識を表すアンケート結果が発表された。この調査は2013年7月中に、ドイツ、フランクフルトのエネルギー企業Ensys AGがインターネットによる回答を得る方式で実施し、1000人から回答を得た。
その結果、ドイツ人がエネりギ―に関して最も望んでいる事は、回答者の70%が「フェアで許容可能なエネルギー価格」である事が分かった。
2番目は「エネルギー供給の安全保障」であったが43%と一位とは大差が有った。3番目は「再生可能エネルギーの迅速な拡大」、「蓄電技術の開発」、「脱原発」の3つがいずれも39%であった。
又、エネルギー省を設置する事を望む回答は43%有った。
一位の「フェアで許容可能なエネルギー価格」は、決してドイツ国民は安いエネルギー価格を一方的に望んでいる訳では無く、透明性のある、価格を望んでいると言う事である。年々エネルギー消費が低下しているドイツに有って、現存のエネルギー産業には合理化が強いられている。扱うエネルギー量に較べ、管理コストが占める割合が増加傾向にある電力会社の財務体質に厳しい目が向けられている。
国民の支持を得ている「エネルギー転換」ではあっても、それに便乗しての値上げは認めないとの、厳しい監視の目を感じさせるアンケート結果である。
エネルギーが途切れる事無く、供給される事を望む「エネルギー供給の安全保障」を大きく引き離して「透明性」を重視するところは、流石にドイツ人の洗練された厳しさを感じさせる。3位に並んだ三つはいずれもドイツ国民にとって「エネルギー転換」が既成事実となっている事が良く分かる。
また、43%の人が「エネルギー省」の設置を求めているのは、多様化するエネルギー供給業者の管理と規制を一元化して、これも透明性を持ったものにしたいとの意識の表れと思える。
今、日本人に同じようなアンケートを行ったらどんな回答になっただろうか、興味深い。日本人が「エネルギー転換」に踏み出すのは何時の事になるのだろう。
注:エネルギー転換とは、原子力も含む化石燃料から再生可能エネルギーへと転換して行く事を言うこと。ドイツ国民にこの考え方が浸透したのは、311の福島原発事故が大きく影響している。
原文(ドイツ語) URL:
http://www.ensys.de/presse/meldungen/article/forderung-an-die-energiepolitik.html
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