自然光と人工光の組み合わせで省エネ
ファクター5 第十一章建築より、
様々な解決法の組み合わせがファクター5を実現する。レスター・ブラウンはこの可能性について次の様に評価している。このような組み合わせによる照明の省エネは、電力消費の照明の割合19%を7%に下げることができる。これは705基の石炭火力発電所の建設を直ちに止めることができる。現在世界には2370の石炭火力発電所がある。
建築の全体的な照明技術の改善には、建築家の照明デザインが重要になる。自然光の有効利用により、人工照明を40〜80%削減できるが、太陽光の眩しさと輻射熱の問題も考慮する必要がある。ここではいくつかの相互に最適化をする機能を紹介する。
自然光は、電気代を下げるだけではなく、室内の雰囲気を改善し労働生産性を上げ、人的ミスの防止にもなり、従業員の病欠を減らし、小売店では売り上げの向上が期待できる。エネルギーコストの削減もさることながら、企業の経費の多くが人件費により占められていることから、照明システムの改善により、労働環境が良くなり労働生産性が1%でも上がれば企業全体としては非常に大きな貢献となる。
近年、欧州でのオフィス環境では、全体的には薄暗い雰囲気であるが、仕事をするデスク上は十分に明るさが有ると言う全体照明と部分照明の組み合わせが好まれている。この方がオフィス全体を明るくするよりも省エネでもある。
■ 高角度からの入射光:天窓などを通して
■ 直射日光の防止:ブラインドを通す
■ 昼光のフィルターと拡散:観葉植物、カーテン、光を透過するパーティション、すりガラスや型ガラス
■ 昼光を屋内全体に反射させ拡散:ライトシェルフ、ルーバー、タテ型バッフルなどは光を柔らかくし、目に優しく感じさせ、影をなくす効果が有る。
■ 自然光をビル管理システムなどと組み合わせる。自然光と人感センサーの組み合わせで、照明やHVACを制御する。
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