アメリカの中でも異色のカリフォルニア州の環境意識は高い
ファクター5より、
需要家の節約により余剰となった電力を、発電したことと同等にみなす考え方。節電所とも呼ばれる。これが1970年代以降ネガワット(Negawatts)というエイモリー・ロビンスの素晴らしいアイデアがあった。
節電の目的を「善意」から「ビジネス」に置き換えることと捉えることができ、電力事業者にとっては、ピーク時にあわせて用意した発電設備が、需要が少ない時期に遊休となるリスクを回避できる利点がある。
最大のコスト削減は、新しい発電所を建設しない事である。新しい発電所に対する地域住民の反対が多ければ多いほど、その建設は遅れ当然費用は増加する。コストの節約は電力大手にとっては十分な利益に繋がる。
さらに例えばカルフォルニアでは電力大手に対して、節約の効果目標を達成すると、(利用者はより高い電力料率を適用されるが、毎月の電力料金は低下する)より価格の高い電気料率が認められた。
累進的な電気料率は利用者側においても適切な節約環境に心を配ることになる。カルフォルニアのシステムは、アメリカ合衆国の他の州の電力消費が大きく伸びている間、劇的に成長する州が長期にわたり一人当たりの電力需要を安定させるために考案された。
図は、カルフォルニア政策から30年後のエネルギー生産性はUSAの平均値と比較し、2倍に相当するほどになったことを表している。
以上は、「ファクター5」第六章法的規制からの引用であるが、オバマ第二次政権は、CO2を1960年代の水銀、ヒ素、カドミウムなどの汚染物質と同じに扱い、環境庁の権限により石炭火力発電所が排出するCO2の上限値を決定できるとした。
これにより全米で約600の旧式の石炭火力発電所が即時閉鎖に追い込まれる。しかしカリフォルニア州には、規制値を超えるCO2を排出している発電所は無くこの法律の適用による影響は無い。
全米の各州は、石炭火力に較べCO2排出量が半分の天然ガス発電所への切り替えに進むと思われるが、カリフォルニア州では天然ガスでも半分のCO2は排出される。カリフォルニア州の目標はCO2ゼロが目標なので、更なる省エネこそが最も有効な対策だと息が荒い。
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