歴史的な異常気象の回数は今後も増加し続ける
IOP英国物理学会出版局、2013-08-14発表、
この10年間に起きた熱波は、2003年欧州、2007年ギリシャ、2009年オーストラリア、2010年ロシア、2011年テキサス、2012年北米各地で史上最高の記録が観測されている。
統計的に2000年までの50年間に地球全体の平均気温は0.5℃上昇した。異常気象が発生する地域の地球全体に占める面積の割合は1960年には1%に満たなかったが、2012年には10%に達した。
この研究では、各地域毎の1ヶ月の平均気温データを1951〜2010年の60年間にわたり、1951〜1980年の平均値を標準値として解析した。そのデータを元にCMIP5モデルで2010〜2100年までをシミュレーションした。シナリオとしては、2100年までの温度上昇を2.0℃以内に抑える事ができたとする最良のシナリオRCP2.6(この場合、2100年までに現在より70%のCO2排出量削減が必要となる、つまりファクター5の実践が必要)と、このまま何もしない最悪のシナリオRCP8.5が用いられた。
その結果によると、2020年まではいずれのシナリオでも異常気象は増え続ける。しかし、問題はその後で人類が何もしないで手をこまねいていると、2100年には人類が生活できる範囲が俄然少なくなる。
連日の猛暑を、単にお天道様のせいにして、地球環境の事に無関心を装っていると、地球上の人類が生存できる範囲がどんどん狭まって行く。人口は2050年には90億を突破すると言うのにである。この発表を良く読んで考えてもらいたい。
安倍政権は、日本の歴史認識問題や領土問題に国民の意識を向ける事に躍起であるが、本当の喫緊の課題は、世界と協力し合って地球温暖化対策に真剣に取り組むことである。その結果が例え、エネルギー産業や重工業の様な既得権益が縮小することになり、打撃を与える事になっても仕方がない。
欧州、米国、中国などは既に方向転換を始めた。安倍、キム・ジョンウン、プーチンはそれに気が着かないのか、着いて居ても抵抗勢力として残るのか、いずれにしてもそう言うリーダーを持った国民は悲劇だ。
原文(英文)のURL:http://iopscience.iop.org/1748-9326/8/3/034018/article
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