廃棄食料をバイオエネルギーにすると言うプロジェクトには違和感を感じる
ブログ管理人
最近、日本のどこかの市で廃棄される食料を集めてバイオ燃料にして発電をするプロジェクトが紹介されていた。これまでは燃料を使ってゴミ焼却炉で焼却していたものをバイオ燃料にしようと言うのだ。
同様のプロジェクトは世界中にあるが、本当に廃棄されるべき残飯や、料理の際に出された屑であれば良いが、実際にはそのほとんどが、生産者が形が悪い、大きさが規格外などの理由で廃棄したもの、店舗の売れ残りなど、ほとんどまだ食べられるものである。
現在、世界で年間1500万人が飢餓で死亡しているが、決して生産されている食糧が不足している訳ではない。世界で生産される食料は23億トンで現在の世界人口70億人で割ると、一人当たり328kgで、これは一人が一年に消費する食料180kgの倍近く有る量である。つまり、流通の問題である。食糧問題に関してはネットワーク「地球村」に詳しい。
URL: http://www.chikyumura.org/environmental/earth_problem/food_crisis.html
電力は利用効率向上の切り札としてスマートグリッドが、今後世界の電力網に適応されると言われている。これは、電力を使う消費者の電気メータ(スマートメーター)から送られてくる電気需要情報と、今後ますます増加してくる風力発電、太陽光発電などの小口発電の情報を、グリッドプロバイダー(電力事業者)がまとめて、その動向を予測して電力不足などの緊急事態が起きないようにするシステムである。グリッドに繋がれた電気自動車や家庭用バッテリーの蓄電機能も細かく利用すると言うものだ。スマートグリッドについては小ブログの2013年5月2日他、多数記述があるので、サイト内検索で検索して参考にしてもらいたい。
世界の食料需給状況、輸送システム、貯蔵システムなどの情報を全て集めて、無駄をなくす巨大な情報ネットワークシステムを作る事を提案したい。十分足りているはずの食料が足りなくなっている現状にはいろいろな理由があるが、企業が利益を生むために無駄を出していると言う側面は否めない。現在の電力会社が無駄な電力を使わせて売上を増やすのと同じ理屈である。
世界で最大の食糧廃棄国はアメリカであるが、驚く事に2番目は日本である。日本は年間13兆円で5000万トン、必要量の50%の食糧を輸入しているが、1800万トン捨てており、その金額は11兆円である。さらにその処理費に2兆円を使っている。だから、日本から食料スマートグリッドの開発をする事を提案したい。今、日本のIT産業はその衰退を何とかしたいと躍起であるが、日本のIT産業と関連の大学、産総研やNEDOも総がかりで開発をしてはどうか。世界に感謝される事は間違いないし、将来巨大なビジネスとなる事は請け合いである。
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