一面だけでは評価できない使い捨て容器と耐久型容器
ブログ管理人
東京都がスーパー等の販売で使われている発泡スチロール容器のリユースをするとのニュースを見た。以前にも小ブログで何度か取り上げているが、ドイツでは発泡スチロールをはじめとして全ての使い捨て容器が、昔ながらの硝子ビンに代わって来ていると伝えた。
使い捨て容器には紙、発泡スチロール、プラスチックが主な材料で、耐久型の容器は、陶器、ガラス、プラスチック、木が主な材料である。これらを製造する時には当然エネルギーが使われる。しかし、耐久型の容器は再使用する為には洗浄をしなければならず、そのエネルギーが必要となる。
陶器やガラスは製造時にかなりの熱量が必要であろう事は想像に難くないし、プラスチックの容器は材料そのものが化石燃料からできており、製造時にはやはり熱を使用している。耐久型の容器は質量が多い分だけ製造時には使い捨て型に比べて大量のエネルギーを消費している。
これらを比較した資料を探したら、1994年の米国ワシントン州のビクトリア大学の研究発表をタフツ大学がまとめたものがあった。
参考文献(英文)URL: http://sustainability.tufts.edu/wp-content/uploads/Comparativelifecyclecosts.pdf
この研究では木製の容器やプラスチックの使い捨て容器は対象になっていないが、使い捨ての紙容器は、陶器39回、プラスチック17回、ガラス15回で消費エネルギーが上回り、エコでは無い事が分かる。この回数は、例えばスターバックスの様なショップが数日間で使う回数であることが分かる。
悩ましいのは発泡スチロール容器で、使われている材料の質量が極端に少ない為に、例えば発泡スチロールのトレイに載った寿司を、リターナブルな陶器に変えようとすると1000回以上の使用をしない限りは発泡スチロールトレイに対抗できない。900回目に壊れればエコでは無くなる。そう考えると寿司の発泡スチロールトレイは有効なのかも知れない。紙パックの牛乳は、リターナブルのガラス瓶なら15回分であるので、これはガラス瓶の方がエコと言える。
この研究ではライフサイクル研究とは言うものの、製造から使用時までのもので、廃棄処理や回収の為のエネルギーコストが反映されておらず、完全な研究とは言えないが、耐久型容器と使い捨て容器の消費エネルギーの差を知る参考にはなった。他にもっと、良い研究が有れば教えてほしい。
しかし、使い捨てと言うのはその行為そのものが消費型ライフスタイルを象徴しており、教育的効果を考えると決して望ましく無いこであることを考慮すべきである。
小ブログのコメントとトラックバックはスパム対策の為に機能を停止しています。ブログ管理者への連絡はメールで、danteアットマークjetiserv.comへお願いします。
|