ゴミ焼却か、リサイクルか、――環境先進国での議論
Yale Environment 360 2013-08-28より、
欧州では、ゴミ焼却炉による地域暖房、温水供給、発電は、ゴミからのエネルギーとして一般的であるが、ゴミゼロ派にとってはリサイクル運動の障害となっているとしている。
ゴミゼロを推進する、ゴミゼロ欧州(Zero Waste Europe)と、世界焼却炉オルターナティブ連合(Global Alliance for Incinerator Alternative)は、ゴミが十分有り余っている事は間違いないが、ゴミを焼却してエネルギ―に変えてしまう事は、再生可能エネルギーとは呼ぶことができない、何故ならリサイクルして資源となりうるからであると、主張している。
欧州では、昔は都市ゴミは埋め立て処分を行っていたが、現在はほとんどが大規模ゴミ焼却施設で燃やし、そのエネルギ―を地域暖房の熱源、温水、電力に変えて販売し、高価な焼却施設の建設コストの回収に充てている。
1995年に米国ワシントン州オリンピアのSound Research Management研究所が行った調査では、ゴミはリサイクルするよりも燃やす方が安上がりであるとの結果がでており、ゴミゼロ派の言う、リサイクルすればエネルギーに変えるよりも3〜5倍の価値が生まれると主張しており、議論は尽きない。
ゴミ焼却施設は燃やすものが無ければ成り立って行かず、途切れの無いゴミの供給を必要としており、その為に焼却施設を運営している地方公共団体がゴミゼロやリサイクルに消極的になるとの指摘もある。
ドイツでは、ゴミのリサイクル率は上昇しており、45%に達し、焼却されるゴミは37%になっている。その為ドイツはゴミを東欧や南欧から輸入しており、何千キロもゴミを運送すると言うパラドックスが発生している。北ヨーロッパ、スカンジナビア諸国のリサイクル率はいずれの国でも30%を大きく上回っている。一方東欧、南欧ではいまだに埋め立てが主流でゴミ焼却は行われていない。
日本では、ゴミはほとんど焼却されているが、焼却炉は小規模で発生したエネルギーは一部発電に使われたり、併設されている温水プール等に使われるのは、わずか10%である。日本全国に1900ものゴミ焼却設備が有り、ドイツ150、フランス130、英国50、韓国50に較べて異常に多く、その規模が小さい事が分かる。日本では自治体単位でゴミ焼却施設を作るのが一般的で小規模なものになっている。これは建設する事に重点を置いた補助金制度に問題が有ると言える。欧州で起きているような議論は、ゴミ焼却施設はゴミを燃やすだけでエネルギーを利用等していない日本では全くない。
原文URL:
http://e360.yale.edu/feature/incineration_versus_recycling__in_europe_a_debate_over_trash/2686/ |