ドイツ、メルケル首相自慢のエネルギー転換政策は自らの首を絞める
ロイタース、ベルリン/フランクフルト2013-08-28
By Madeline Chambers and Vera Eckertの記事から、
アンゲラ・メルケルのグリーン革命のリスクは自らの命取りになりかねない。
寛大な補助金に刺激されてドイツ人は熱に浮かされた様に、革命的な計画に参加しようと、教会の屋根に太陽光パネルを敷き詰め、家庭のゴミを分別して燃料を作っている。しかし、これらの事業はほとんどが補助金頼りである。
メルケルが先導する、原発と化石燃料の両方から脱出すると言う壮大な実験は、世界が今、興味津津で見守っている。もし、うまく行けば皆一斉に続くであろう。
ドイツの挑戦は、高くなる一方のエネルギーコストの下で、どうやって国際競争力を維持し続けながら、グリーン経済への移行をやり遂げるかと言う事である。
メルケル首相は3.11の福島原発事故を受けて脱原発を決定し、2020年までに再生可能エネルギーを35%に、2050年に80%にすると宣言した。(2012年度現在で22.8%であった。)
高いFITに魅了されて、再生可能エネルギー企業や団体の数は雨後のタケノコのように増えている。(図参照) FITによって増加したコストはユーザーに回され、昨年の1年間だけでも電力料金は47%上がった。家計も企業も財政が圧迫されて輸出業者は国際競争力の低下を嘆いている。
しかし、この計画に対する異議は与野党通じて聞こえてこない。
「エネルギー革命は、ドイツ人にとっては月に人間を送るようなものなんです。もし成功すれば、ドイツは今後数十年間にわたり、世界をリードする存在になり得る。私もこの考えには賛成です。」と言うのは、メルケルの対抗馬である社民党(SPD)党首のシュタインブリュックである。彼は「しかし、メルケルのやり方はメチャクチャです。我々はやり方を変える。」と続けた。
メルケルの計画では、グリーン革命の為に長期にわってでは有るが、総額13兆円の財政出動を考えている。
ドイツのウエストファリアにある人口10万のギュ―タ―スロー(Guetersloh)と言う町がある。この町の銀行と風力タービンメーカーEnecorn社が合弁事業を発表して、市民の出資を募ったところ、僅か3週間で13万円〜350万円までの出資が集まり目標額を大きく突破し、さらに旧東ドイツにある太陽光発電所も買い取る事になった。担当者によると、「市民の人達にとって、再生可能エネルギーに出資するのは『トレンディー』なことなんですね。」との事である。
一方ドイツの産業は輸出依存である。安価であるはずのシェールガスは、環境負荷が高いと言う理由で追加課税され高くなり、政府に対する不満が有る。大口電力料金は再生可能エネルギー買い取り量が増加した為に昨年は5回にわたり値上げされた。ドイツのエネルギー依存型産業には90万人が働いているが、この産業は早晩国外に移転する以外ないとし、E.ONやRWE等の大手発電会社は数1000メガワットの設備過剰で発電所閉鎖も考えているとしている。
第三期のメルケル政権はこれらの問題と取り組む事になる。
原文(英文)URL:
http://www.reuters.com/article/2013/08/28/us-germany-election-energy-idUSBRE97R0ED20130828
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