環境保護の名の下の虚構――犯罪行為
ドイツ3satTV, 2013-09-24放送予定、
地球温暖化が叫ばれて久しい。あるものは時計は5分前を指していると言い、あるものは既に5分過ぎだと言っている。またあるものは、ある限界点を越えると雪崩のように地球規模で壊滅的な気候の大変動が起きると言っている。いずれにしても人類の緊急課題であることには疑いはない。
ドキュメンタリー監督、ウルリッヒ・アイヘルマン(Ulrich Eichelmann)はこの映画の中で、そんな地球温暖化緩和策に名を借りた開発プロジェクトの中には、環境を守るどころか破壊しているものが有り、それが分かっているのに関わらすビジネス推進の為に続けているのは犯罪行為であると訴えている。
ブラジル、パラ―州に建設予定のベロ・モンテ・ダムはブラジルにきれいなエネルギーを供給する為に作られる。ここに住むカヤポ族20万人は強制移住されるが、彼らはそれに反対して政府と弓と矢で戦う決意である。もう一つのノーベル賞受賞者のアービン・クロイター司教は彼らと戦いを共にしている。環境学者によると、世界第三位のこのダムが水没させる熱帯雨林の面積は世界最大で、水没した植物が腐敗して排出するメタンガスは、同規模の火力発電所から出るCO2の20倍の量に匹敵すると言う。世界最大のカメのコロニーとピンクイルカが生息するアラス河が無くなる為に、どちらの種も消滅する。
トルコの南東、シリアとイラク国境付近に位置するチグリス川を堰き止めて2006年から建設中のイリスダムでは、すでに8万人が移住させられた。6000年の歴史を持つ文化遺産ハサンケイフ(Hasankeyf)は水没する。このダムの影響を最も受けるのはイラクでこれまで豊潤で有った穀倉地帯が砂漠化し、新たな国際問題の火種になりかねない。(写真)
インドネシアでは毎年200万ヘクタールの熱帯雨林が伐採されパームヤシが植林されている。目的は環境に優しいとされるバイオディーゼル生産の為である。巨大な面積のモノカルチャー化は自然サイクルを分断し大きな環境負荷となることが分かっている。また、熱帯雨林はオランウータンの生息地である。食べ物が無くなったオランウータンが人里に現れ、人間に撃たれて毎年3000のオランウータンが殺されている。
開発の為にはもっとエネルギーが必要と再生可能エネルギーの開発を行う開発企業がしている事は犯罪であるとこのドキュメンタリーは糾弾している。それ故「ファクター5」資源を5倍に使う事はエネルギーを5倍生み出すのと同じことなのであると訴えている。
原文(ドイツ語)URL:http://www.3sat.de/page/?source=/dokumentationen/172026/index.html
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