建設バブルに便乗したJR東海のリニア新幹線計画発表
ブログ管理人
小ブログ7月8日に書いたが、なぜ今リニア新幹線を作らねばならないのかである。安倍政権の建設バブルを起こそうとしている目論見は見事に当っているようである。世界に大ウソついてまで誘致したオリンピックがそのムードを盛り上げ、猪瀬都知事に便乗だとまで言わせた成田―羽田高速鉄道計画の浮上もしかりである。「いまでしょ!」とJR東海は発表した。
相模原市、甲府市、飯田市、中津川市ではお祭り騒ぎで大喜びなので、水を差すようでご当地の方には申し訳けないが、2027年の開業時には経済規模の収縮と人口減少と、その頃には導入されているであろうエネルギー政策により恐らく開業は難しいと思われる。トンネルは掘る事と思われるので、一回り小型の在来線方式の新幹線での運用となるのが妥協点となるのでは無いだろうか。それが、理想的と言える。従来方式でも距離の短い新ルートは286kmなので、品川―名古屋間は1時間10分位で運行でき、現在の1時間30分より早いので相模原、甲府、飯田、中津川の方々は強力な交通インフラが増えて十分な経済効果が望まれよう。
現在の新幹線の乗車率は55%でここ数十年需要は横ばいである。これから人口の減少と高齢化が進み需要の伸びは見込めない。その上、リニアモーターは従来の新幹線方式の5倍の電力を必要とし、並みの石炭火力発電所一基分を消費する。できるだけエネルギー消費を少なくする事を提唱している小ブログとしては賛成できない。確か総工費は5兆円だと思ったが、現在の新幹線の乗客の30%が新線に移る位では、これを償却できる乗車運賃はかなり高く設定しなければならないが、そうするとお客が来ないので現在の運賃より少し高い位に設定せざるを得なくなり、償還はできなくなり国民が税金で負担する事になる。
今、安倍政権は何が有ろうと建設ラッシュを起こしたいので、ごり押しで始めるのであろう。建設業、セメント業界、重電産業が活気付く事が彼らの目的である。14年後にどうなっていようと彼らの知った事では無い。だから、着工する事が大切だと考えている。例えトンネルが途中で終ろうとも構わないのだ。
今、品川―名古屋間は1時間30分で、ものの10分も待たずに次の列車に乗れ、必ず座れる。新幹線技術陣の努力で、これ以上省エネできない位高効率になっており、運行本数、快適性も、正に最適化された交通システムと言えよう。リニア新幹線は、40分で運行するが15分から20分に一本で、それも名古屋までなので、名古屋以遠に行く人は名古屋で乗り換える事になり不便である。
ドイツや中国では強力な磁力線が人体に与える影響が検証されていないとの理由で、リニア新幹線は棚上げになっており、例え技術が確立しても輸出は望めそうに無い。2011年5月に行われたパブリックコメントで888件中648件が計画中止か再検討を望んでいたのだが、JR東海はこの追い風のうちにと、これには全く無視である。 |