ダンテの森    
22 Sep 2013 11:30:26 am
本気の米国環境対策
全米の火力発電所にCO2排出量制限を適用、未達成分は排出権を購入
ワシントン、米国環境保護局(EPA), 2013-09-20

 連邦環境保護局(EPA)は、米国で新設される発電所のCO2排出量の上限規制値を発表した。14年1月までに既存発電所への規制も公表する。全米のCO2排出量の33%は発電所から排出されており、国内最大のCO2排出源であるためで、すでに欧州連合(EU)は欧州排出量取引制度(EU-ETS)の対象に発電所を加えており、日米欧で、発電所規制がないのは日本だけとなる。

 オバマ大統領は今年6月にジョージ・ワシントン大学で行われた環境演説で地球温暖化対策の行動計画を発表しており、今回のEPAの規制導入は国民への約束を実行に移したものである。規制では、新設の石炭火力発電所は発電量1000キロワット時あたり500kg、天然ガス発電所については同450kgとなる

 オバマ政権は、国民に対し広く発電所のCO2削減への意見を求めていたが、EPAの発表によるとこれまでに250万人の国民からの意見が寄せられたとしており、米国国民の環境意識の高まりを示していると言えよう。

 発電所へのCO2規制は東部10州で独自に排出量取引制度の対象となってはいるが、連邦規制として導入されるのは初めて。この規制は連邦環境保護法111条(d)の有毒ガスの排出規制に新たにCO2を加えると言う方法で、議会の承認を得る事無く大統領の指示でEPAが施行したところに、大きな意味が有る。安倍首相の憲法を触らすに集団的自衛権の法解釈を変えようとしているのに似てはいるが、その目的には大きな違いが有る。またEPAは14年1月までに既存発電所へのCO2排出規制案を公表する予定。

 発電所は最大の温暖化ガス排出源であり、EUは2005年から稼働させているEU-ETSで発電所を当初から規制対象としている。

 これに対して、日本では2013年1月から始まっている京都議定書第二約束期間からの離脱を表明しており、さらに2009年に鳩山首相が国連で2020年までにCO2の25%排出削減を発表して大喝采を受けた国際約束についても、安倍首相は反故にするとの発言を繰り返しており、現在日本には具体的な排出量削減目標が無い状態である。本年11月にポーランドのワルシャワで開かれる世界気候変動サミットCOP19に参加する代表団からは、まったくの手ぶらでの参加となり針のむしろに座らされる思いだとの声が上がっている。新幹線の5倍も電力を使い必要の無いリニア新幹線などを計画している場合では無い。

 尖閣や竹島で声高に主権国家を謳うのであれば、福島の汚染水問題を含む破損した原発の処理や、国際的課題であるCO2削減への姿勢でも主権国家としての堂々たる対応をするべきである。国民として恥ずかしい。

EPAのURL(英文):http://www2.epa.gov/carbon-pollution-standards/what-epa-doing

カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
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