但し、養殖は正しく行われないと環境を汚染する
GreenBiz.com, 2013-09-20 Christiana DesMaraisの記事より
食卓に乗っている天然魚のほとんどは漁獲量制限ぎりぎりか、制限量を超過して取られた魚であると思って間違いない。魚の需要は増加の一方で、国際価格は上昇の一途で、先月の鮭とマグロの価格は史上最高を記録した。
魚の養殖は魚資源の保全には貢献できそうであるが、それは正しい方法で実施される必要がある。魚の養殖は、殺菌剤、抗生物質、その他の化学薬品投与による食べた場合の健康に与える影響の問題だけではなく、周辺の水質汚染や生態系への影響、マングローブの伐採などの問題を多く提起している。その他に、養殖場で感染した魚が養殖場外に逃げ出した為に天然魚に疾病が伝染する等の問題も発生している。
それでも魚の養殖は食糧問題の解決策の一つとして注目されている。2021年には天然・養殖合わせて魚の生産は1億7千万トンになり、牛、豚、鶏を超える。養殖の割合は現在3%であるが、2021年には33%になると推測されている。
■世界鮭イニシアティブ(Global Salmon Initiative, GSI)
この団体には世界の15社の鮭養殖企業が加盟しており、現在世界の鮭生産量の70%を占めている。
■オーストラリアの持続可能な魚養殖
オーストラリアでは一般的な食用魚バラマンディ(スズキ目の大型魚)の養殖では、10年前から水の循環システムで、タンクやプールの水をフィルターしてリサイクルする事で、環境汚染をしない方法を実現している。タンクに入れた稚魚は成長に従って別のタンクに移され成魚になるとプールに移される。タンクやプールは赤外線センサーで魚の密度が常に監視されており、魚の過密化を避けている。水はフィルターされ魚の排せつ物は集められて、農業用肥料として販売される。年間900トンの魚の生産で、2.5トンの肥料が出荷されている。
■ヒラマサの養殖で環境保護NGOから認定
オーストラリアのクリーン・シー(Clean Sea)社は、ヒラマサ養殖で環境保護NGO, Friend of the Seaから認定された南半球で初めての企業である。しかし、稚魚の捕獲ができず2013年と2014年は生産を停止している。
■新開発のエビ養殖法
米国ミズーリ大学のデイビッド・ブルーン(David Brune)氏が開発した、分割方式のエビ(ホワイト・シュリンプ)の養殖法は、養殖池に羽根車を設置して水面を撹拌する事で緑藻大量に発生させる。緑藻はエビの排せつ物を養分にして育ち、エビは緑藻を餌に育つ完全な循環システムである。通常1年以上かかるところを120日で成長すると言う。
原文(英文)URL: http://www.greenbiz.com/blog/2013/09/20/5-ways-companies-are-cleaning-fish-farming |