IPCCの報告を理由に原発再稼働への誘導しようとする意図が見え見え
ブログ管理人
9月23日の小ブログで書いたように、今回のIPCC第五次評価報告書(AR5)の発表には全く別の心配があった。この10年間の気温上昇が0.05度と、前回AR4の予測0.2度よりも大幅に小さかったのを、環境懐疑派が攻撃してくる事を心配したのであるが、IPCCの周到な「ネワマシ」で防ぐことができた。世界的には、ブログ管理人の心配が杞憂に終わり良かった。
しかし、日本ではこのIPCCの報告を受けて別の事態が進展している。日本のマスコミは一斉に地球温暖化の脅威を指摘する事を始めた。(昨日の小ブログ参照) これ以上CO2を出してはいけない、だから原発再稼働しかない、との世論を誘導するつもりなのである。
原子力村の力は衰えていない。政官産学そしてマスコミに強いネットワークを持つ彼らは、既得権益を手放す気など毛頭ない。村の存続の為には、どんな汚い手も使う。この村の利益のおこぼれにあずかっている一般人も数多く居り、世論形成の一翼を担っている。地方では電力会社は、今でもまるで殿様である。子供が電力会社に就職しただけで、親の鼻は高くなると言う風潮がまだ残っている。地方では一般人も「○電さん」と尊敬を込めて呼んでいる。
高度経済成長時代に安定した電力を供給して産業の振興に貢献した電力産業は、その使命を果たし終えた。経済安定期を経て、労働人口減少で経済規模収縮期に入った日本では電力産業の成長など必要のあろうはずがない。一日も早く発電、送電、配電を分割し、自由化して低コスト体質にすべきで、九電力体制は潰すべきである。そうすることで電力村は、過去の遺物として葬る事ができる。
進まぬ再生可能エネルギー開発も原発再稼働勢力を勢いづけている。ブログ管理人の耳にも再生可能エネルギーが進まない理由がいろいろ入ってきている。大規模ソーラー発電事業をするには、一定のまとまった土地が必要になるが、土地の登記上の法律問題や、地権者間の利害の調整が付かずにプロジェクトが進まない。バイオディーゼル燃料を畜産廃棄物から作るプロジェクトは、事業者が農水省からの補助金欲しさに農水省の予算に合わせ小規模になり事業として採算が合わない。都市廃棄物からメタンガスを発生させて発電する事業も各地で計画されているが、実験や実証実験の規模にとどまっている。など、本気でやる気が無いとしか思えない。その結果が、再生可能エネルギーは欧州では20%は普通であるが、日本では未だに1%台である。
日本ではエネルギー関係の全てのベクトルは原発再稼働へと向いている。4つのプレートが押し合う世界でも珍しい地震の多発地帯に、原発を作る事がそもそも悪夢である。国民はマスコミに騙されてはならない。
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