ドイツの包装容器リサイクルシステム会社が1億トンを達成――DSD
ドイツ、リサイクリング・ポータル2013-09-27より
ドイツの再生可能エネルギーがすでに25%を超えていることは有名であるが、リサイクリングでも着実に成果を上げている。DSD(Duales System Deutschland)社は、1991年6月に発効した包装容器令の実行部隊として、関連メーカー600社が共同出資して設立したリサイクリング専業の企業で、ドイツ国内の包装容器のリサイクリングを独占している。
DSD社は、包装容器を全量回収し、全量リサイクルするクローズドループを目指しているが、設立以来本年までに1億トンの包装容器を回収・リサイクルしたと発表した。これにより、関連企業も消費者も共に利益を得た上に環境負荷の緩和も達成した。
2012年度単年度で、DSD社は720億メガジュールの一次エネルギーの節約を達成したが、これは50万人の都市の1年分のエネルギ―消費に匹敵し、CO2換算で170万トンとなる。更に、6900トンの硫黄酸化物の大気への放出も削減し、酸性雨や酸性土壌を防いだとしている。
これはDSD社の最新のリサイクリング技術の結果である。DSD社については、「ドイツ企業の環境マネジメント戦略(林哲裕著、三修社)」に詳しいが、大まかに言うと、包装容器メーカーはあらかじめDSDが指定するリサイクルを前提とした方法で包装容器を製造し、商品メーカーに供給する。消費者は使い終わった包装容器は街角の指定場所に置いて有るDSD社の回収コンテナーまで持って行き、決められた色のコンテナに入れる。DSDは回収後リサイクルして包装容器の材料として包装容器メーカーに供給する。
このループで、新たな資源が使用されるのは最小限にとどまる為に、エネルギー資源の節約となる。このシステムの特徴はドイツの国全体の包装容器の流れをシステム化してしまっているので、例外処理は最小限で、合理性が高い事にある。このようなシステムはレアメタルの回収システム等に応用が可能である。
国のリーダーシップ、企業と消費者の理解と協力と実行力が無いと機能しないシステムである。
記事原文(ドイツ語)URL: http://www.recyclingportal.eu/artikel/31411.shtml
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