米国ではすでに2000年に原発離れが始まっていた。
ワールドウォッチジャパン、2013-10-07のメルマガより、
米国の原発の発電量は1970年代から増大していたが、2000年初頭には鈍化し、2007年から横ばいとなり、2011年からは減少を続けている。早期閉鎖の炉や新設の中止が相次ぎ全体として確実に脱原発へと動いている。
米国の原発の年度:発電量(単位は億kWH)の推移
1960:1、1965:4、1970:22、1975:173、1980:251、1985:384、1990:577、1995:673、2000:754、2005:782、2007:807、2008:806、2009:799、2010:807、2011:790、2012:796、2013:764(推定)
これを見て気づくのは、1979年3月に発生したスリーマイル島事故も、1986年4月のチェルノブイリ事故も全く影響は与えていない。しかし、2011年3月の福島は影響を与えたのかも知れないと思わせる変化である。
2009年に計画されていた全米30以上の原子炉計画のほとんどは棚上げか中止になっている。莫大な交付金が地元に支払われるとしても、リスクの方が大きくなり、銀行が融資に踏み切らなかったのがその主たる理由だそうだ。
2012年に米国原子力規制委員会(NRC)はジョージアとサウスキャロライナに各2基、合計4基の新設を認可した。これらの州では、「先行コスト回収法(Advanced Cost Recovery Low)」と言う州法が適応され、電力企業は原発建設コストを全て電気料金に上乗せすると言う法律である。それは例え原発建設が途中で中止となった場合も建設コストは電力料金に上乗せされると言う法律である。
これは、実際の原発のコストが消費者に電気料金として負担させることで、コストの透明性を図る事が可能である。原発建設は住民がそのコストとリスクを理解した上で建設されると言う事を明確にしている点が画期的である。
日本の原子力政策のように、国民が税で負担する部分と、電気料金で負担する部分の境目をわざとぼかして、あたかも原発は電気料金を安くしていると錯覚を起こさせるような不透明な政策よりよほど明確である。
日本でこれから建設しようと計画のある原発は、電力料金をこの方法で計算して消費者に知らせるべきである。福島以来安全コストが格段に上がった原発は建設費用が大幅に上がるはずであるので、それを計算に入れれば電力料金はかなり高くなる。それでも今原発推進をしている人達は推進をし続けるだろうか?
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