驚くほど大きい待機電力は家庭の電力消費の1/12
ブログ管理人
待機電力というのは、TV、ビデオ/オーディオ機器、エアコンなどのリモコンが付いている機器、タイマー運転ができる洗濯乾燥機、炊飯器、保温型電気ポットなどや、常に外からの信号に対応する必要のある、電話、ファックス、モデム等の通信機器が、本来の機能で消費する電力以外に準備の為に使っている電力の事である。又、待機電力ではないが、最近増えて来ているのがバッテリー充電器である。携帯電話、家庭用電話の無線子機、スマートフォン、タブレット端末などの充電器を使わない時にはコンセントから抜いている人は余り見かけない。これらの充電器は恐らく年中コンセントに差しっぱなしである。
待機電力は機器により異なるが、HDDビデオレコーダーでは待機モードがいろいろ設定できるようになっているが、急速スタートモードだと5〜25W、年間で44〜220kWhとなるが、小電力モードだと0.1〜0.2W、年間で8〜16kWhと大きく異なるので設定に要注意である。図は、平均的な日本の家庭の待機電力の割合を機器別に示したものであるが、年間の待機電力の平均は308kWhであり、一世帯の年間電力消費量の1/12、つまり一カ月分に匹敵する。
日本の電力消費量は2008年に約100万ギガワット時(GWh)であった。これはCO2排出量にして5億6千万トンである。このうち家庭電力として消費されているのは約30%の30万GWhであるが、2万5千GWh、CO2に換算して1400万トンが待機電力である。原発約2基分である。
国際エネルギー機関(IEA)が1990年に1Wイニシアティブ(One Watt Initiative)をスタートさせており、これによると2010年以降に販売される機器の待機電力は1W以下でなければならず、2012年以降は0.5W以下になっているはずである。最新のTVやビデオ機器は、待機電力0.1Wと宣伝しているが、これはあくまでも省電力モードに設定した場合の事で、使用に便利な瞬間スタートモードに設定すると大幅に待機電力が増える。また、シャワー式トイレで一番大きい電力は便座ヒーターである。便座の蓋をするだけで待機電力は1/5になる。
それでは、全ての機器をコンセントから抜いておけば良いのかと言うと、最近のディジタルTV、ビデオレコーダー、セットトップボックスなどは夜中にファームウエアを自動的に更新したりしているのでそうも行かない。購入時にマニュアルを良く読んでどうすれば最も省エネな使い方ができるのかを知っておくべきである。 |