30年間行われていなかった学校での放射線教育が2012度から復活していた。
ブログ管理人
原子力ムラの打つ手は実に周到、巧妙でかつ迅速である。善意のボランティアがやっている環境保護運動などとても手が届きそうに無い事を、彼らは的確にそして着実に手を打っている。これまで、できるだけ原子力関連の情報は与えないで来たが、311以降国民の原発に対する懐疑的な考えが膨らんで行く事に危機感を覚えたムラの人々は、方針を転換し教育現場で積極的に原発を取り上げ、放射能は自然にあるもので、正しい知識を持って接すれば原子力は怖くないとの知識を埋め込もうとしている。
2012年度の学習指導要領では、過去30年間取り扱われてこなかった「放射線についての教育」が、中学の理科の時間に取り入れられる事になった。これは、放射線教育推進委員会(委員長 有馬 朗人 財団法人日本科学技術振興財団会長、元文部大臣)が推進している。日本科学技術振興財団は電気事業者連合会がスポンサーしている、まさに原子力ムラの一員である。
その学習内容には、エネルギー資源についての学習において、人間は,水力,火力,原子力などからエネルギーを得ていることを知ることを必ず入れる事、とある。また、放射線は原子力発電や兵器などと関連付けて危険視される一つのキーワードとして注目されることが多いが、宇宙線や地球上の岩石、土壌など自然界にごく普通に含まれているいわば「自然の一部」といえる。原子力や放射線の扱いには細心の注意を要する部分もあるが、科学的に正しい理解に基づく判断という視点が理科教育には重要であると考えると有り、原子力をより肯定的に考えるような教育が必要と説いている。
放射線教育を担当する理科教師には「原子力・放射線に関する教職員セミナー」応用コースが用意されている。(1) 全国体験コース(3日間 全2回)(2) 地域別体験コース(2日間 全12回)(3) 現地要請コース(原則1日間 全2回)があり、大学等の協力の下、原発の見学や放射線測定実習等の現場体験も含むものである。驚くのは、受講料・教材費・テキスト代等は無料、さらに参加に関する交通費も支給である。
その上、今後は、中学校理科だけにとどまらず、小学校・中学校・高等学校、また理科・社会や技術家庭科、総合的な学習の時間など、放射線に関わる全ての教科において放射線を正しく理解していただくことが課題と考えているとある。
小中高校で、日本には原発が欠かせないもので、原子力と言うのは正しい知識さえ持っていれば恐れるに足らないものであるとの教育を徹底して行う計画のようである。ブログ管理者などは、「ファクター5日本語版」出版後は、この本を携えて草の根のセミナーを開いて行こうと考えているが、彼らの教育計画に真っ向から立ち向かって行く事になる。今から身の引き締まる思いである。
放射線教育担当教員の為のサイトのURL: http://www.radi-edu.jp/ |