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29 Oct 2013 01:25:14 pm |
難しい海面上昇予測 |
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海面の上昇はどの程度、どの位の速度で、どこにやってくるのか?
Yale Environment 360, 2013-10-21 Nicola Jonesの記事から、
2013年9月27日にIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の第五次評価報告書(AR5)が発表されたが、そこには海面上昇についての詳細報告は省かれていた。前回2007年に発表されたAR4では、2100年に最低61cmの海面上昇が予想される事が記述されていたが、この記述が最もセンセーショナルに取り上げられ物議をかもしだした。しかし、この報告にはグリーンランドと南極の巨大な氷河が溶けて海に流入する事は考慮されていなかった。
世界中の高山に積っている雪と全ての氷河が溶けて海に流入したとしても0.4mの海面上昇しかないが、グリーンランドと南極の巨大な氷塊が全て溶けて海に流入すると、それだけで6.5m海面が上昇する。
9月27日のAR5には、2100年には28〜98cmの海面上昇が予測されると書かれており、これは2007年のAR4の記述に較べると50%高くなっている。
海面上昇の予測は、コップに水を注ぐような計算では予測できない複雑な要素が有り簡単ではない。シベリア、アラスカの永久凍土が溶けるとユーラシア大陸、北アメリカ大陸の重量が軽くなり陸地面積が少なくり、その分海の面積が増える。すると海面は下がる。グリーンランドと南極の巨大な氷塊が溶けることでも同様の事が起きる。又、エルニーニョのような海面温度の上昇は、海水を蒸発させ、年に数mmであるが海面を低下させる。
これら全ての減少を考慮した海面モデルはまだ存在していない為に、科学者たちは海面上昇が、いつ、どこで、どの位起きるのかを発表できないでいる。しかし、海面上昇が、人類の営みに起因する地球温暖化の影響により起きている事はまぎれも無い事実で、今すぐに緩和策を取らなければ事態は悪化の一途をたどるばかりだと警鐘を鳴らしている。
原文(英文)URL: http://e360.yale.edu/feature/rising_waters_how_fast_and_how_far_will_sea_levels_rise/2702/ |
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カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
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