手ぶらでCOP19に参加して「ただ乗り」を目論む日本
ブログ管理人
「優れた政治家というのは、頭が切れる必要は無い。よく官僚に説明をさせて、それを正しく理解し、しばらくのあいだ記憶が保持できる、それだけでいい。日本国の総理大臣とは、その程度のものなのである。」これは、ある小説に描写されている日本の行政のトップ内閣総理大臣に必要な資質である。
2007年6月6日〜8日まで、ドイツ・ハイリゲンダムにおいてメルケル首相が議長となりG8サミットが開かれた。そこで、日本の総理は発言を求め、気候変動・エネルギー効率について他のG8諸国の首脳に対して次の外務省の記録の様な提言をしている。
今次G8サミットでは、気候変動が大きなテーマとなった。総理から、先に発表した日本提案「美しい星50」を紹介し、世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減することを全世界の共通の目標とするとともに、次期枠組みを構築するに当たっての「3原則」を提案した。その結果、こうした内容を軸に議論が行われ、2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減することなどを真剣に検討することでG8首脳の合意が得られた。
この首相とは、安倍首相(第一次安倍内閣)その人である。
間もなく11月10日〜22日まで、ポーランド・ワルシャワでCOP19(国連気候変動枠組条約締約国会議)が開催される。ここに日本政府は2005年比で3.8%減と言う目標を提出し、2009年に鳩山首相によって国連総会席上で発表して大喝采を受けた2020年までに25%削減と言う国際公約を正式に撤廃しようとしている。6年前に言った事などまるで無かったかのような変貌であるが、確かにこれが日本の首相に必要な資質「しばらくの間記憶を保持できる」と言うことであろう。
1990年の日本の温暖化ガス排出量(CO2換算)は12億6千万トンであったので、京都議定書の第一約束期間(2012年迄)の目標は-6%で11億8千万トンであった。2005年の実績は13億5千万トンで、その-3.8%は13億トンとなり京都議定書での約束より3.2%ポイントも上回るもので、あきらかな目標引き下げで、もはや目標とは言い難い。ちなみに日本は京都議定書第二約束期間からは離脱しており、第二約束期間の目標値は無く、現在国際的には鳩山公約の2020年までに25%が生きたままである。
今回、EUは25%、米国、中国もそれぞれ意欲的な目標値を掲げて参加する意気込みであるが、日本はこのような目標でCOP19に参加して、世界から「ただ乗り日本」との汚名を着せられる事は間違いない。石原環境大臣が将来の日本の首相の資質を備えているとすれば、全く問題無く乗りこなしてくるのであろう。日本と言う国そのもの資質がその程度と世界から思われてもしかたない。 |