日本企業の500社の環境対策の度合いをランク付け――CDPジャパン
CDPジャパンのホームページから、ブログ管理人
小ブログでは過去に何度か欧米の環境格付け団体(彼らは中立の立場である事を証明する意味からも非営利団体となっている)が、発表する企業の持続可能性のランク付けについて書いて来た。
英国の環境格付け団体カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトは名称をCDPと改め、投資家向けの報告書も日本語版が用意されている。この度、「CDPジャヤパン500気候変動レポート2013」が発表された。これは、CDPに登録されている日本の企業500社に、調査票を送り回答された内容を分析して点数評価して格付けを行うものである。
安倍政権と日本経団連は、旧態依然と経済成長とエネルギー消費を切り離して考える事ができないでいるが、日本の投資家にこの二つを切り離すべきとする国連環境計画(UNEP)が提唱し、欧米を中心に浸透してきているデカップリングの考え方が徐々に広まりつつあるのでは無いかと思える。日本の経済人の中にも、きちんと世界の動向を見て行く手を見誤らないようにしようと努力している経営者が居ると言う事で、希望が持てる。
今回の発表では、本田技研工業・日産自動車・積水化学工業・小松製作所・東芝・コニカミノルタ・ソニー・富士通が高得点で上位ランクにならび、リーディング企業として発表されている。これらの企業は、環境問題を会社の重要基本方針に取り入れ、担当の役員が配置され、自己評価のみではなく、第三者評価機関に評価を依頼して、透明性を高めようとする努力が高い評価を得ている理由である。興味深いのは、北陸電力以外の電力会社は、全て回答拒否か無回答であった事で、彼らが持続可能性社会への移行を拒否する体質が浮き彫りにされていると言えよう。また、消費者に一番近いはずのヘルスケア・セクターの回答率が低い事は、この業界の環境意識が余り高く無い事を示している。
このような第三者評価機関は、企業の環境ランク付けを行う事で投資家に対しての情報を提供する事で、機関投資家を署名企業として集めて収益を上げることで活動資金としているので、投資家の投資対象とならない、地方公共団体、公益法人、学校法人、宗教法人などの団体の調査は行っていないが、環境負荷の割合ではこれらの団体が与える負荷は大きいので、格付け機関の社会的使命と言う意味から是非とも調査対象に加えてもらいたいものである。
CDPジャパン500気候変動レポート2013は次のURLでダウンロードできるので、是非ご覧いただきたい。
https://www.cdproject.net/CDPResults/CDP-Japan-500-Climate-Change-Report-2013-JP.pdf |