地球温暖化ガス濃度が過去最高を記録――気候変動を加速
ENS-Newswire、2013-11-08ジュネーブ発より、
今月11日から22日までポーランドのワルシャワでCOP19(国連気候変動枠組条約第19回締約国会議)が開催されるのに先立ち、WMO(世界気象機関)が温暖化ガス通報を発表した。
これによると、1990年から2012年の22年間にCO2による地球温暖化があったと報告しており、増加分の80%は化石燃料由来であるとしている。特に2010年から2011年にかけてのCO2の増加は過去10年間で最高を記録している。今回の報告書の作成にあたり、世界50カ国がWMOに協力した。計測されたデータは各国で集計された上、日本の気象庁内にある世界温暖化ガス計算センターに送られて処理されまとめられた。
排出されたCO2は、大気に留まるもの、生物圏に留まるもの、海洋に留まるものとなる。WMOによると、人類が放出しているCO2の約半分が大気中に留まり、残りは生物圏と海洋に吸収されている。
WMO事務局長のマイケル・ジャロウ(Michael Jarraud)氏によると「人類の営みに起因して排出されるCO2が、自然界のCO2バランスを大きく乱している事が気候変動の主原因である事が一層明らかになった。」としている。「IPCC(気候変動に関する国際間パネル)の第五次評価報告書にもあるように、CO2、メタン、窒素酸化物の濃度は過去80万年で最高値になっており、CO2濃度は2014から2016年の間に400ppmの大台を超えることは確実になっている。その結果気候の狂暴化、氷床や氷河の融解、海面上昇が起きる。」と続けた。今年5月11日にはハワイのマウナロア天文台で400ppmを記録している。
1750年に産業革命が始まって以来、大気のCO2濃度は41%上昇、メタンは160%、窒素酸化物は20%上昇しており、これらは長期間大気中に滞留し地球温暖化効果を持っている。IPCCによると、このまま人類が産業構造を変えることなく続けて行くとする(BAU)と、地球の平均気温は産業革命以前に較べ4.6℃上昇する。これは平均値であるので地域によってはそれ以上の温度上昇があり、その結果、壊滅的な気候変動が発生すると思われる。
<以下省略> 原文(英文)URL: http://ens-newswire.com/2013/11/08/greenhouse-gases-hit-new-record-high-forcing-climate-change/
COP19には欧州をはじめ、今回は米国と中国も意欲的な温暖化ガス排出削減目標を携えて会議に参加するものと思われる。その中にあって、日本は2005年実績に対して3.6%の削減と言う消極的な目標で臨んでいる。この目標値は京都議定書第一約束期間(2012年まで)の目標値より3.2%ポイント高い(排出量が多い)数値で、2009年の鳩山首相が国連で約束した2020年に1990年基準で25%削減と言う国際公約を塗り替えようとしているものである。CO2削減は世界各国に任せて、自国は経済成長だけを目標にすると言っているようなもので、世界から顰蹙を買い、安倍政権は世界の孤児となるであろう。 |