盛り上りの期待で始まったCOP19に水をさした日本
ブログ管理人
フィリッピンを襲った台風30号の被災者への黙祷や、フィリッピン代表のハンガーストライキなど、感情的なスタートで当初は良い結果が得られるかと期待が高まったポーランドでのCOP19(国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議であったが、盛り上がった議場の雰囲気に水を差したのが日本である。
閣僚級会合で石原環境大臣は、原発が停止中であることを理由に削減目標は2020年までに1990年比で+3.1%と目標の後退を発表し、議場の雰囲気をしらけさせた。イギリス政府、中国政府、EU、AOSISから懸念を示す声明が発表された。最近のCOPでは全く話題に上ることが無かった日本であるが、この会議の直前に政権の交代により環境税の撤廃をしたオーストラリアとならんで、悪い意味での存在感を示すことになった。
環境NGOの気候行動ネットワーク(CAN)から特別化石賞が与えられた。日本は2度目の受賞である。授賞式の会場では化石のシンボルである恐竜と日本女性との結婚式が行われ、会場に笑いを振りまいた。(写真)
21日には途上国支援などの合意が一向にみられないことに抗議し、多くのNGOが退席するという前代未聞の事態となった。気候変動対策に十分な資金を用意できない貧困国に対する援助などをめぐり、富裕国と貧困国の間での激しい議論が続いた為である。中国は貧困国が加盟するG77のリーダー的存在となり富裕国と対決姿勢を示し、途上国の代表として地位を固めた。
ただ、日本の発表には「現時点での目標として」と言うフレーズがあり、それに期待するNGOや国も多く、国際世論を高めることで日本は考えを改めるかもしれないと、激しいキャンペーンで攻勢を続ける団体もある。
ますます国際社会で孤立を深める日本と、途上国をまとめてリーダーシップを発揮して途上国77ヶ国を束ねる外交手腕を示す中国との差がますますはっきりとなってきた。 |