COP19の大きな成果HFC削減は米中トップ会談の成果か、
ブログ管理人
削減努力の底上げの中で、本命であるCO2削減ではないものの、温室効果の高いガスであるHFC(ハイドロフルオロカーボンで代替フロンと言われており、オゾン層の破壊はないが、地球温暖化効果はCO2の11,700倍ある)の削減にEUが、モントリオール議定書の中で、HFCの削減の仕組みを作ろうと提案している。
モントリオール議定書は、オゾン層破壊物質を生産・消費を削減するために作られた条約で、環境条約の成功例として知られています。元々、HFCは代替フロン、つまり、オゾン層破壊物質の代替になるものとして作られたので、モントリオール議定書の対象ではないが、温室効果ガスとしては強力で、国連気候変動枠組条約で検討されることになっている。
しかし、HFCは元々フロンの代替物質として作られたものであるので、モントリオール議定書の下での仕組みを活用した方が、削減がしやすいのではないかという考え方がある。そこで、EUは、国連気候変動枠組条約を根拠に、モントリオール議定書で取り扱うべきであるとの決定をすべきとの提案を行なってきたが、エアコンと冷蔵庫の普及が必要な主にインド等が反対していた。その理由は、HFCの代わりに使う物質の安全性や、技術などの面において、まだまだ途上国には負担が大きいという理由であった。
そこで、EUは、締約国会議(COP)の下での正式な「決定」ではなく、事前の策として、有志国の大臣での共同「宣言」を出そうと各国に呼びかけている。HFCの削減は、決してそれだけで「ギャップ」問題の解決になるものではないが、その実効効果は決して小さくなく、今回の会議の中で成果が出せるかが注目されている。
本年6月にカリフォルニアのアネンバーグ財団のサニーランド別荘で行われたオバマ大統領と中国の習近平主席の一対一の会談では、大変長い時間を割いてオバマ大統領が、中国政府にHFCの削減を説得したと言われており、今回中国は削減賛成に回ると言われており、米中のトップ会談の成果となる。安倍首相には環境と言うカードが無い為に、オバマ大統領とも習近平主席ともテーブルに着く事すらできない。環境問題は現代の国際外交では欠かせないテーマであるが、安倍首相には30年前の原発しか手持ちのカードが無く、相手にしてくれる国が無い。有るとすれば、北朝鮮くらいであろう。 |