ネオニコチノイド系農薬は欧州では規制され日本では推進
ブログ管理人
ミツバチの大量死の一因として知られている神経伝達物質に働く農薬ネオニコチノイドは、EUでは規制の対象となっているが日本では農水省、JAがいまだに推奨している。これについては3月27日の小ブログで書いたが、なぜ日本では使用が規制されないのかを考えて見た。
殺虫剤や農薬として散布され、神経伝達物質に作用して昆虫の神経を興奮し続けで死に至らす。ヒトにも自律神経系、神経筋接合部、中枢神経系に作用する事が認められている。ミツバチがこの農薬の影響を受けると方向感覚を司る神経伝達物質が阻害され自分の巣に戻れなくなる為に一つの巣が全滅してしまう。1990年代はじめから世界各地でミツバチの大量死、大量失跡が報告され2007年までに北半球では1/4のミツバチが消滅し、その原因がネオニコチノイドであるとされている。
EUではヒトの神経にも作用するとして規制が進んでおり、オランダ、デンマークでは2000年、フランス、ドイツでは2006年に使用禁止となっているが、日本では逆に使用量が年々増加し、1997年から2007年の10年間で年間150トンから450トンと3倍になっている。野菜や果物のネオニコチノイドの残留許容量は農水省によって定められているが現在EUの500倍であるが、これを更に上げようとする動きがある。
野菜や果物の表面に虫食い跡があると、日本では商品価値が無くなる。スーパーの野菜売り場にならぶ野菜には傷一つないピカピカの野菜しか並んでいない。欧米では多少の虫食い跡は消費者が許容するが、日本の消費者には通用しないので、日本ではこの農薬の使用をやめる事ができない。その典型的な例は米で、イネに着くカメムシは口を差し込んででんぷんを吸い取るが、その跡が米に黒い斑点として残るが無害である。しかし、この斑点の有る米が1000粒中2粒あると60kgあたりの価格が600〜1000円下がると言うから米農家はカメムシ対策の為に、多いところでは年間数10回もネオニコチノイドを散布している。ちなみにアメリカの米農家では2回程度である。
ここでも国民の安全よりも、経済優先の考え方が表れているのであるが、消費者の考え方から変えて行く必要がある。昔の八百屋さんに並んでいた野菜や果物には時々虫くい跡があったし、コメにも時々黒い斑点があるものが見受けられたが、それをとやかく言う消費者はいなかった。もし、虫食い跡が気持ち悪ければそこを切って使わなければ良いだけの話である。ピカピカの野菜や果物が文化程度を表している等とは思わない方が良い。環境教育はこのあたりから始めるべきなのかも知れない。 |