「うどん県」の香川がうどん製造残渣活用エネルギー・プロジェクト
2013-12-10スマートジャパンから
讃岐うどんの本場、香川県ならではの再生可能エネルギーがある。うどんの生産で発生する廃棄物からメタンガスとエタノールを生成して、電気や温水を作り出す。うどんを茹でる熱源として再利用する「うどんまるごと循環プロジェクト」で独自のエネルギーサイクルを拡大中である。
香川県高松市で「うどんまるごと循環プロジェクト」が始めらたのは2012年1月からである。県内にはうどん店の他にも製麺所が多数あり、生産後時間が経過した製品も含めて廃棄処分となる量は想像以上に多い。この「生うどん」からバイオマス・エネルギーと取り出して循環型社会のモデルを構築する事が当プロジェクトの目的である。
以上が、スマートジャパンの記事である。
同プロジェクトのホームページ http://udon0510.jp/ によると、うどん300kg+水700リットル+酵母10リットルを発酵タンクで2日間発酵させたものを蒸留して100リットルのエタノールが取れると言うもので大変小さな規模でしかない。
この種のプロジェクトが全国にあるが、その殆どは小規模で、まるで実験設備である。ブログ管理者の知人は、オーストリアのバイオエネルギー・プラントメーカーBDI社の国内代理店をやっているが、彼の話によるとバイオエネルギーは、エタノール、バイオディーゼル、メタンガスいずれの場合も商業化する為には最低規模が有ると言う。これは欧米では既に常識で最低40メガワット時/日ないと採算に乗らない事が分かっている。
うどんプロジェクトの例では500キロワット/日となり採算分岐点の1/80で商業化にはとてもおぼつかない。この類のプロジェクトが全国に何千と有り、そのほとんどに政府から補助金が出ている。バイオエネルギーは欧米では既に実用化された技術で、いまさら実験プラントと作ってテストをするより、欧米の優秀なプラントを導入して、大規模に行えば現在のFIT(固定電力買取制度)のバイオマス発電の40.95円/kWhであれば、数年の内に設備代金が回収できるのである。
香川県の「うどんまるごと循環プロジェクト」は確かに結構なことであるが、同じプロジェクトを進めるのであれば、始めから本格的なものとしてもらいたい。環境教育や地元振興、また人集めの目的で行って、数年間行った結果が大赤字だけが残り、やはり再生可能エネルギーはダメだと言う印象が残ってしまっては逆効果である。地方公共団体の企画立案を担当する部門はその辺りを良く考えて、再生可能エネルギーはやって見ましたと言うアリバイ作りに終わらないようにしていただきたい。 |