日本にしか無いエネルギーの無駄づかいを数え上げて見た
ブログ管理人
日本が環境先進国だと考えている人は多い。確かに、1960年台のイタイイタイ病や四日市喘息に代表される公害病で公害先進国として世界的に有名になり、その汚名挽回の為に、排水規制、排出ガス規制を強力に行い1970年代には安全な水と、きれいな空気を取り戻した。1970年にやってきたドルの平価切り下げと2度のオイルショックの為に大幅値上がりした原油価格による不況を乗り切る為に、大幅な省エネ対策を講じる事で、公害対策からの流れがプラスに働いき、国内産業の資源消費効率が大幅にアップした。
レデュース(Reduce)、リユース(Re-use)、リサイクル(Recycle)の3Rで、資源効率を大幅に向上させる事で、この難関を乗り切った日本の政策は成功し、その副産物として地球温暖化ガスの排出量も大幅に削減されて環境先進国と呼ばれるようになった。しかし、1990年代のバブル崩壊とともに日本の経済界と政界は、ただひたすら経済成長を目指す余り、環境政策をおざなりにしてきた。今の日本は、京都議定書第二約束期間からは脱退し、温暖化ガス排出量目標は「増加目標」に変え、今後もエネルギー消費は増加の一途とする環境無策国となってしまった。国民のエネルギー意識はどうだろうか。
自動販売機、トイレ便座、カップめん、この三つに共通するものはなんだろうか? 世界には無くて日本にだけあるエネルギーの無駄づかいである。その第一番は野立ての清涼飲料水自動販売機である。海外では一部の東南アジアの国を除いては見かけない。日本には設置台数600万台で、火力発電所あるいは原子力発電所2基分の電力を消費している。野立ての自動販売機は、小さなスペースに設置する為に、断熱能力が悪く電力消費が大きい。自動販売機が無くなっても通常の生活にさほど影響が無いと思われることである。その証拠に海外ではほとんど見かける事は無い。
2番目は、トイレ便座ヒーターである。シャワー付きトイレもそうであるが、これも日本の発明である。恐らく日本の5千万世帯の家庭の少なくとも80%つまり4千万台の便座ヒーターが有り、事業所、公共機関、ホテルなどを加えるとその倍の8千万台はあるのでは無いだろうか。便座一つで10W消費したとすれば80万キロワットとなり、発電所約1基分の電力である。これも海外では見かけないものである。
食べるものでエネルギーを多く使っているものは、日本の大発明カップめんである。カップめんは一度調理したものを、多くのエネルギーを掛けてフリーズドドライと言う方法で凍結乾燥させる。家庭では、もう一度熱湯を沸かしてカップめんに注ぐ。カップめんはエネルギー消費の象徴のような食品である。一度、一個のカップめんに使われるエネルギーを試算してみようと考えている。年間35億個の消費なので、そのエネルギー総量はバカにならない量になると思う。日本に昔からある高野豆腐も凍結乾燥した食品であるが、これは昔は寒い冬に屋外に豆腐を並べて凍結乾燥させていたので、化石燃料は使っていなかった。化石燃料の力を借りないインスタント食品の開発をしてもらいたい。
この他にも、日本にしかないエネルギーの無駄づかいについて皆さんにも考えてもらいたい。気がついた方は koichi@jetiserv.com までメールしてもらいたい。 |