アジア太平洋のグリーンビルディングをリードするシンガポール
Yale Environment 360, 2013-12-16 Mike Ivesの報告より、
シンガポールはアジアにおけるグリーンビルディングのショールームのようである。一見、東南アジアのどこにでもあるようなショッピングモールの、313@ソマーセットの8階建てを詳しく見ると、自然光の採光システム、太陽光パネル、省エネエレベータとエスカレータ、高効率エアコン、ビル全体のエネルギー管理をするコンピュータシステムなどでビルのCO2排出量を削減していることが分かる。
反対側に位置するピッカーリング地区は、東南アジアの金融センターであるが、ここにできたパークロイヤルホテルはグリーンビルであることを証明するかのように、正面には熱帯シダ類が茂り、ブドウの木が全面を覆っている。ロビーに入ると、木材を多用したインテリアと熱帯苔が敷き詰めれており、金融センターのど真ん中に現れた熱帯雨林の中に居るようである。これらの植物への水やりは、雨を貯水するタンクから供給されている。光センサーによる照明制御で省エネが行われている。ガラスは赤外線をカットして太陽光熱を遮っている。
これらの建築物は、シンガポール建築建設庁(BCA)が推進するグリーンビル格付けシステムで格付けされている。日照対策、水資源対策、省エネとCO2削減の制御システム、高効率エアコン(HVAC)などで格付けされる。これまでに、新築ビル1534棟、改築ビル215が格付けを受けた。この総床面積は国全体の1/5にあたる。格付けを受けたビルの運用費用は11.6%安くなり、不動産価値は2.3%上昇した。
従来、ビルの格付けは米国の公益法人が行っているLEED認証に頼っていたが、シンガポールBCAはアジア太平洋地域の気候に合わせたグリーンビル基準を定め、アジア太平洋地域における標準にして行こうとしており、グリーンビジネスの指導的役割を果たそうとしている。
原文(英文)URL:http://e360.yale.edu/feature/singapore_takes_the_lead_in_green_building_in_asia/2720/
日本政府は武器の輸出で経済成長を図ろうと考え、その為の法整備に余念が無いようであるが、アジア太平洋地域の国々はグリーン経済への移行へと進んでおり、日本の軍産複合体の計画はとん挫する事になるだろう。 |