日本でしか見かけない家電製品・電気設備
ブログ管理人
12月23日に続いて、日本でしか見かけない電力大量消費型の電気機器の話である。前回は、ドリンク自動販売機、トイレ便座ヒーター、インスタント・カップ麺について書いたが、その後いくつか気が付いたものがある。
まず、電気保温ポットである。いつでもお茶が飲める電気保温ポットは大変便利であるが、いつでも熱湯を使えるようにしておくために電気を使う。標準的なポットは2.2リッターであるが、これを一日2回給水して沸騰させ、一日中使えるように保温させておくとすると、沸騰させるのに0.5kWh、保温に0.9kWhかかり、1日あたり1.4kWh消費し、年間約500kWh消費する。もし日本に5000万台の電気保温ポットがあるとすれば、石炭火力発電所3基分となる。保温式ではない電気ポットで毎回沸かすと、1/3の消費電力で済む。
次は電気炊飯器であるが、これも保温機能が付いており、保温の為の電力消費は炊飯に必要な電力の約3倍で、やはり全国に5000万台の炊飯器があるとすると石炭火力発電所3基分の電力を消費している。
夜間電力使用の給湯ボイラーは、消費者にとって割安な夜間電力料金で風呂、シャワー、洗面所、台所でいつでも温水が使えるとあってほとんどの家庭で使用するようになった。しかし、このシステムは配管が長く、温水が配管を暖めるまで相当の温水を流す必要がある。平均して、貯められた温水の30%は配管を暖めるのに使われる為に、水の消費も電気の消費も実際に使う温水の3割増しがそのまま流されている。風呂場、洗面所、台所にそれぞれ個別に電気あるいはガスの瞬間温水器を設備すれば長い配管を暖める必要が無い為に1/3のエネルギー消費が少なくなる。夜間電力料金が安いからと言ううたい文句であるが、不必要な電気エネルギーを消費する非効率な装置である。欧州の多くの国ではタンク型の温水器はこの理由から使用が禁止されている。
日本の電力会社は台所の熱源も火を燃やさないので安全であるとの理由でオール電化が売りこまれており、多くの家庭がオール電化に切り替えたが、エネルギー効率の面からはガスには遠く及ばず非効率であり、電力会社の宣伝にごまかされたと言えよう。かく言うブログ管理者の住むマンションもオール電化に15年前に変えたが、日本の電力会社の口車にまんまと乗せられた格好である。マンションでは個別の瞬間湯沸かし器に付け替える事もできず、忸怩たる思いである。このように、電力を無駄に使わされる羽目になっているのが、日本の電力事情である。 |