屋根を白色に塗装することを市条例で義務化――米国ロスアンゼルス市
SustainableBusiness.com 2013-12-19
今週ロスアンゼルス市議会は全会一致で、2011年に制定された建築基準条例の改正を可決し、市内の全ての建築物の屋根を白く塗装するし、屋根からの太陽光熱の吸収を少なくすることを義務付けた。これによりロスアンゼルス市は、グリーン化の市条例で義務付けた全米最初の都市となった。白色屋根はすでにニューヨーク市が市の建築基準に取り入れているが、義務とはなっていない。
明るい屋根の大都市報告書によると、ロスアンゼルス市では屋根の色を白色にすることで、ヒートアイランド現象を緩和することができるだけでなく、年間3千万ドル(30億円)の電気料金が節約され、地球温暖化ガスの排出量は自動車7万台分が削減される。これによりロスアンゼルス市のカーボンフットプリントは20%小さくなる。
明るい屋根の色は白に限らず、明るいグレーや赤色系でも効果がある。明るい色は熱となる赤外線が屋根に吸収され屋根の温度が上がる事を緩和するとされ、最大27℃の温度差があるとされており、建築物の躯体の温度も3〜4℃下げるとされている。
クールな屋根にすることは、最もコストをかけずに簡単に都市の地球温暖化対策ができる方法で、地球温暖化緩和策をこれから始めるには最適な方法と言える。
ロスアンゼルス市の夏の平均気温は現在37℃であるが、このまま何もしないでおけば2050年には37℃になると言われており、温暖化とヒートアイランド緩和策が望まれている。
ブログ管理人のマンションは今年が3度目の大規模修繕の年で、我がマンションの屋根も今回明るいグレーに塗られた。最上階の居住者の来年の夏は少し過ごしやすくなると思われる。日本では、まだまだ黒っぽい屋根が多いが、ロスアンゼルスのような条例を作った都市があるとは聞いた事が無い。最近、ときどき全ての壁が真っ黒な新築を目にするが、冬は暖かいかも知れないが、夏の事は考えていないのだろうかと不思議に思っている。機会が有れば、建て主さんに聞いて見たい。ロスアンゼルスではさしずめ、罰金ものであろう。
原文(英文)URL:http://www.sustainablebusiness.com/index.cfm/go/news.display/id/25413 |