発展途上国で著しい増加を見せる電気製品ゴミ(e-Waste)
GreenBiz.com 2014-01-09
年末年始が終わり、年間最大の消費の季節が終わった。数多くのテレビ、カメラ、スマホ、携帯、タブレットPCなどの電機製品が新品に置き換わり、古くなったものは電気製品ゴミとなる。
2012年までは、年間に廃棄される電気製品の量は断トツに米国がトップであったが、2013年からトップの座は中国にとって代わられている。2012年から2017年までの5年間で中国、インド、ブラジル、南アフリカの電気製品ゴミは33%増加すると推測されている。
2011年〜2013年の3年間で発展途上国の電気製品ゴミの量は3,700万トンであったが、米国、欧州、日本、オーストラリアの合計は2,800万トンであった。2013年中に製造された電気製品の地球人口70億人の一人当たりの重量は7.5kgであった。年々増加しているゴミの中でも電気製品ゴミの増加は、最も急速である。
そして、正しい知識をもたずに電気製品を廃棄処分すると、毒性物質が含まれている為に環境汚染の原因となる。しかし、正しい方法で分解することで、多くの部分を再利用したり、材料として回収して再利用する事ができる。
現在世界の電気製品ゴミの56%は回収され再利用か再生され、8.5%は輸出されている。但し電気製品ゴミは雑金属スクラップとして輸出されている場合もあり輸出量の実態は掴めていない。電気製品ゴミとしての輸出には、毒性物質が含まれている為に規制が多い為に、金属スクラップとして輸出されている場合がある。
携帯電話やスマホ100トンからは、9トンの銅、250kgの銀、27kgの金、9kgのパラジウムが含まれており、都市鉱山と呼ばれており、これらを回収して利益を上げている企業がいくつかある。
コンピュータ大手のデルは、ケニアに大規模なリサイクルセンターを建設した。ケニア政府とNGOのジョイント・プロジェクトでデルが自社製品を回収しこのリサイクルセンターで再生・再利用することで、資源の再利用とケニアに数千人の雇用を作る一石二鳥のシステムである。
アップル社は、独自のi-Phoneのリサイクルシステムを持っており、古いi-Phoneの回収率を上げるために、使用済みi-Phoneを最高345ドルで買い取っている。
三菱電機では、同社製品を100%回収し、そのほとんど残さず再生利用する為のリサイクル会社を作り、戻ってきた電気製品を、金属、貴金属、レアメタル、ガラス、プラスチックに分け、その全てを材料に戻して新製品の部品として使っている。そして、この会社の採算は取れていると言う。
こういったシステムこそ世界に胸を張って売り込めるグリーン産業である。原子力発電所を輸出するよりもよほど世界から歓迎され、貢献できるものである。
原文(英語)URL: http://www.greenbiz.com/blog/2014/01/09/developing-world-overtakes-us-e-waste-production |