欧州全域で使用中止になっている農薬の残留基準値を大幅緩和の日本農水省
グリーンピース・ジャパン2014-01-21より、
ミツバチ大量死の一因として知られるネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの残留農薬の基準が、厚生労働省によって大幅に緩められようとしている。これに先立って2013年11月に行われたパブリックコメントでは、多くの反対意見が集まったにも関わらず、2014年2月上旬にも残留農薬の規制緩和が正式発表されそうです。
その緩和の度合いは作物ごとにことなり、さとうきびは20倍、しゅんぎくは50倍、そしてカブの葉にいたっては2000倍と、極端に緩和しようとしている。
ネオニコチノイド系農薬クロチアニジンは、ヨーロッパではミツバチを保護するために昨年12月に一時的にではあるが欧州全域で使用禁止にされたばかりである。ネオニコチノイドは昆虫の神経中枢に働き、ミツバチは自分の巣に帰ることができなくなり大量死するとされている。
それでなくても日本の残留農薬の基準値はヨーロッパの基準の2倍〜100倍も緩く設定されているが、それをさらに緩めようとするものである。日本の稲作では、カメムシ被害を防ぐために大量に使用される。その量は、同一面積に対して欧州の100倍にもなる。カメムシが吸った後は小さな黒い斑点となり、精米した後にも残る。この斑点の有る米は黒点米と呼ばれ食用には全く害は無く、見た目の問題だけであるが、1000粒中に2粒以上あると1等米は2等米に1ランク下がる。60kg10,000円が9,000円の買い取り価格となり農家の収入に大きく響くところからこの農薬が散布される。
欧州食品安全機関は同じネオニコチノイド系農薬(アセタミプリドとイミダクロプリド)が、人間の学習や記憶のような機能に関係する神経と脳の構造発達に有害な影響を与えるかもしれないという発表をしており、ヒトへの影響の調査のやりなおしが行われている。農水省は、せめてこの調査の結果を待ってから基準緩和を検討するべきではないだろうか。また、この問題に対して環境省や消費者庁からストップがかけられないのは、職務怠慢としか言えない。
大企業の売上げ優先の安倍政権には、環境を守る事も消費者を守る事も売上を増やすと言う目標の為には全て目をつむるつもりらしい。
原文:URL
http://www.greenpeace.org/japan/nico/ |