電力会社のFITより高い金額で電力の買い取りビジネス――パナソニック
プレスリリース 2014-01-21
パナソニックは21日、住宅設備コンサルのエプコと共同で、2016年からの電力小売り全面自由化をにらんで、家庭の太陽光発電による小規模電力を集約化する「アグリゲーション事業」を始める、と発表した。両社が共同出資で「パナソニック・エプコエナジーサービス」(東京都港区)を31日設立する。パナソニックの販売網を活用、既存の電力会社に対する有力な競争相手になる。
設立する新会社は、資本金3億円、出資比率はパナソニックが51%、エプコ49%の比率。特定規模電気事業者として届け出る。新会社は固定価格買取制度(FIT)に基づいて自宅の屋根などに太陽光発電システムを設置している個々の住宅に対して発電量予測などのエネルギーマネジメントに基づく形で発電電力を、FIT価格にプレミアムを付ける形で買い取る契約を結ぶ。
売り手の家庭は、FIT価格より高い利益を得るほか、パナソニックの省エネ支援などの家庭向けサービスも受けることが可能になる。新会社はこうした購入した電力を、まとめて企業などに大規模販売するとともに、企業のエネルギーマネジメントの市場を開拓するほか、地域全体の省エネ化、スマート化を進めるビジネスにも活用する考えだ。
パナソニックは、住宅市場に強いほか、住宅用太陽光発電設備を販売してきた実績などの強みを持つ。一方のエプコは、住宅向けの設備や太陽光発電などの設計を年間14万件手掛けるなど、一定の家庭発電の顧客層を抱えている。両社の強みを合わせることで、電力小売り自由化実施を先取りする形で、新会社発足につなげた。
当面、関東と関西の両地域において実証実験を実施したうえで、事業体制を確立、夏から地域別で順次、顧客向けの営業を展開する予定。目標としては、2018年度には50万件以上の契約(太陽光発電システム設置)を目指すという。
グリーンビジネスの新たなビジネスモデルである。家電では世界市場で敗退を続ける日本の電気産業に有って、三菱、日立、東芝と異なり、重電部門を持たないパナソニックは、いち早くグリーンビジネスにその生き残り場所を探しているようで、この企業の将来には希望が持てる。この調子で続けてもらいたいものである。
プレスリリースURL:
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/01/jn140121-3/jn140121-3.pdf
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