欧州委員会バロッソ委員長の2030年エネルギーと環境ステートメント
記者会見 ブリュッセル2014-01-22
本日気候変動に対するEUの長期政策が合意された。
EUが気候変動問題への取り組みを経済的にも利益をもたらす形で実行する事で、国際社会における指導力を発揮する事ができる。
戦略2030と名付けられた野心的で賢い計画はEUが世界の気候変動に対する行動を行うのと同時に、石油やガスの不安定な価格変動にに左右されない経済と産業を確立し持続可能な成長を保障するものである。
この提案は非常に重要で、EUのエネルギー政策は、そのままEUの国際競争力となると考えている。我々の提案は野心的であるのみでは無く、経済的でもある。この提案では、これまでのような「グリーン」か「産業保護」かと言うような議論は無く、賢くその両者を生かせている。
まず一番目に、現在進行中の計画2020を継続し、それを更に拡充するもとなる。我々は2030年における地球温暖化ガスの排出量を1990年を基準にしてマイナス40%とする。これは大変野心的であるが実現可能な数値目標である。40%は最も費用対効果に優れている目標値である。
二番目には再生可能エネルギーの割合の目標を2030年にEUとして27%とすることにした。この目標を達成することなしに、一番目の目標2030年にマイナス40%の達成は困難であると考えている。但し、今回からは再生可能エネルギーの達成目標を国別に課すことはしない。過去に国別目標の達成の為に、本来なら国家間で協力プロジェクトなどを行う方が効率的であったものが、妨げられたとの報告を受けたからである。
各国のボトムアップによる柔軟な達成を期待している。もちろん各国が自国内で目標値を設定することを妨げるものではない。また、EUの取り決めの範囲内であれば再生可能エネルギーに対する補助金の支出も自由である。
三つ目が最も重要なエネルギー効率の向上である。現状の2020計画では、省エネターゲットには国別目標を課していなかった。2014年に省エネ達成状況のレビューが行われるが、この結果を待って2030計画には強制力の有る国別の省エネ達成目標を作ることが合意された。
以下略。
記者会見(英文)URL: http://europa.eu/rapid/press-release_SPEECH-14-50_en.htm
以上がEU委員会の記者会見であるが、EUのエネルギー政策への意気込みが伺える。安倍政権は京都議定書の第二約束期間からは脱退したままだし、地球温暖化ガス排出量は2020年までに2005年に較べて3.8%削減すると言う、これは1990年に較べると3.1%の増加である。EUの2030年までに1990年を基本にして40%を削減するのとは大違いである。その上日本は2009年の国連演説で、鳩山首相が2020年までに25%の削減を約束して世界から大喝采を受けているのである。国としての国際約束を簡単に反故にする安倍政権は、第二次世界大戦前の日本政府の進んだ道と良く似た道を歩んでいる。 |