原発を超えたスペインの風力発電パワー。過去最高の発電量を記録、原子力発電を抜いて電力供給源のトップに
Finance GreenWatch 2014-01-27より、
もう20年も前のことであるが、ブログ管理者がスペインのマラガからカディスへ大西洋岸を車を走らせていた時に突如稜線に巨大な風車群が現れ、数十キロにわたって何十本も並んでいるのを見て感動した覚えがある。
スペインの風車といえば、ドン・キホーテ。そのスペインで昨年初めて、風力発電が電力供給源のトップになったことが送電企業の報告書で分かった。全発電量の21.1%を占め、原子力発電の21%をわずかに上回る。これに石炭火力発電、水力発電が続く。風力発電量は前年比で約12ポイントの増加で、過去最高だった。風力発電施設は国内のおよそ150カ所に点在している。
国際業界団体「世界風力エネルギー会議」の報告書によれば、12年の風力発電の総設備容量の1位は中国で7万5564MW(メガワット)。2位はアメリカで6MW、3位はドイツで3万1332MWに続いてスペインは2万2796MWで4位である。以下、インド、イギリス、イタリア、フランス、カナダ、ポルトガルが上位10カ国に入る。
スペインの再生エネルギー推進には、温暖化ガスの排出削減とエネルギーの国外依存度を下げる目的がある。実際、両者とも08年から減少に転じている。
ポルトガルでも水力発電と風力発電の割合が増えており、昨年の第1四半期には総発電量の70%以上を再生可能エネルギーで賄うことに成功した。スペインは30%台だから、まだまだ伸びる余地はある。
現在、原発が争点となっている都知事選が終わるのを待って、安倍政権は原発をベース電力とするとの基本エネルギー政策を閣議決定する予定であるが、日本の風力発電は2600MWと、情けない現状である。政府関係者には再生可能エネルギーの間欠性を問題視する人がいまだにいるが、世界的にはできるだけ数多く作る事で相互補完されて実用上差し支えない事はとっくに証明済みである。その証拠に世界で280万MWもの風力発電所が建設されているのである。
先日、テレビで学生にエネルギー政策を討論させていたが、その中で台風が来る日本には風力発電は適していないと発表している学生がいた。昨年、3月には京都府営の「太鼓山風力発電所」、4月には中部電力系の「ウインドパーク笠取(三重県)」で羽根の脱落事故があったのを見ての事と思うが、いずれも設計は70mの風速に耐えるはずのものが、たかが30m弱の風ではそんしたものである。設計が悪いのか施行が悪いのか、日本の風力発電に対する真剣に取り組んでいるとは思えない姿勢が見え隠れする。あくまで基本は原発であると言うことを証明するために、風力や太陽光は使い物にならないとのアリバイ作りにされている感を持つのはブログ管理者だけであろうか。 |