中小テナントビルの省エネレベル(CO2排出実績等)を表示する「カーボンレポート」
東京都環境局の2014年3月6日のプレスリリースより、
ドイツで2008年7月から建物のエネルギー消費を表示する「エネルギー・パス」が義務化され、2009年からEU各国で導入されており、建築の省エネ度を評価するライセンスを持った建築士や建築設計士がドイツの場合全国に6500人いる。(2013年8月25日の小ブログ参照) 欧州では、不動産の売買や賃貸契約時には、エネルギー・パスの提示が義務付けられており、高い評価の省エネ建築は価格や家賃が高く設定できることが常識となっている。
国は、この制度に踏み切る事がいまだにできずにいるが、東京都が先鞭をつけて「カーボンレポート」をはじめた。以下は、東京都のプレスリリースからである。
このたび都は、中小テナントビルの省エネレベル(CO2排出実績や省エネルギー対策の取組状況等)を7段階で示した「カーボンレポート」の提供を開始することとしました。
これによってビルオーナーは、省エネルギーの進んだ低炭素なビルへの入居を検討する事業者に対して、当該テナントビルの省エネ性能を分かりやすく説明し、入居を促すことが可能となります。
都は、カーボンレポートの普及を通じて、省エネ性能の高いビルがテナントや入居希望者から評価され、入居先として選択されるよう促すものです。これにより、ビルオーナーの省エネ意欲が高まり、中小テナントビルの省エネ性能が向上することを期待しています。
カーボンレポート制度
•カーボンレポートは、ベンチマークによって、ビルの省エネレベル(CO2排出実績等)を7階段で色分けし、分かりやすく表示します。
•ビルオーナーは、カーボンレポートを活用して、ビルの省エネレベルをテナントや入居希望者に対しアピールすることで、テナントに対し、入居を促すことが出来ます。
•テナントは、ベンチマークによってビルの電気使用量の大小を推定※でき、入居先を選定する際の判断材料とすることが出来ます。
※都は、ベンチマークレンジごとに、電気使用量の推定に役立つ面積あたりの電気使用量の平均値(キロワット時/平方メートル)をカーボンレポートの利用方法に関するガイドライン(平成26年6月公表予定)に掲載予定です。
プレスリリースURL: http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/03/20o36100.htm
以上は東京都のプレスリリースからである。 パッシブハウス・ジャパンでは、ドイツのパッシブハウス基準に基づいた評価制度で、2010年から省エネ建築診断士と言う民間資格を発行しており、現在約500人の省エネ建築診断士が、「建もの燃費証明書」を発行しており、診断ツールとしてのソフトウエア「建もの燃費ナビ」も販売している。東京都の「カーボンレポート」は、独自のものを作ったようであるが、歴史も長い既存の民間の制度を使う事がなぜできないのだろうか。
パッシブハウス・ジャパンURL: http://passivehouse-japan.jimdo.com/ |