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26 Mar 2014 10:21:19 am |
企業経営と環境の統合 |
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財務諸表と環境報告書を統合した企業の報告書
Focus-Online Expert(ドイツ語版) 2014-03-24より、
企業が発表する財務諸表は、数字が好きな人の為のもので、環境報告書は「モノ好き」の為のものと言うのがこれまでの常識である。しかし、実際はこの二つの報告書を関連付けて読み解く事でその企業の現状と長期的な目指す方向を見定める事ができる。
上場企業のいくつかは、これらの2つの報告書を一つにまとめた統合型財務諸表として報告することをはじめている。ドイツのDAXの中では、化学企業のBASFが2007年から統合型財務諸表を出している。2013年からはLanxessとSAPもこれに習っている。
エコノミーとエコロジーには相互関係がある。
この2つの報告書を読み解く事で、その企業の持続可能性が見えてくる。長期的業績を評価するには、有形、無形の資産、付加価値のいづれもが一目で見える形である必要がある。統合型財務諸表では、社会的、経済的、環境的報告が数値として同時に表されている為に読者は、長期的なビジネスの構造変化を部門間の関連と共に読みとる事ができる。例えば、企業の総合的な長期業績を表すものとして、環境対策費と従業員の定着率と労働生産性の関係が分かるようになっている事があげられる。例えばSAPのような、国際的にエンタープライズ・ソフトウエアを提供する企業を評価する上でこれは大変重要なポイントとなる。SAPのこれまでは、当該部門の創造性、才能、コミットメントを知るには、財務諸表のいくつかの数字の変化を繋ぎ合わせて推測する以外に方法は無かった。統合型財務諸表では、それらが税引き前利益にどの程度貢献しているかという形で直接的に数値で表されている。
少ないCO2排出は利益を生む
統合型財務諸表では、CO2排出量の推移がビジネスユニット毎に一人当たりのCO2排出量を金額に代えて示されている。2000年を基準として当該年度のCO2一人当たり排出量の増減が金額で報告され、その対策コストとの対比をすることができ、より少ないCO2排出量にする方が利益の増大が図れる事が分かる。
クラウドの使用は環境負荷への挑戦である
SAPのような、世界的大企業を顧客に持つシステム・プロバイダーに於いては、最近の顧客企業がデータを全てクラウド上で保管するようになり、顧客のサーバーの負荷は軽減されたが、SAPのサーバー負荷は増大している事が分かっている。プロバイダーと顧客の環境負荷のトータルバランスとして低減されるようなシステムの構築を開発する必要に迫られている。このような事も統合型財務諸表がより多くの企業で採用されるようになれば、システム構築の一助となる。<以下略>
原文URL:http://www.focus.de/finanzen/news/gastkolumnen/schmid/nicht-nur-auf-die-zahlen-achten-nachhaltigkeit-darf-fuer-firmen-kein-randthema-sein_id_3711242.html
このように、すでに世の中は持続可能性型社会への構造変化を示しており、その基本的な考え方は社会貢献と経営の透明化である。EU諸国では国家や企業の情報の透明化が進められており、環境報告書、社会貢献報告書を財務諸表に統合して正式な企業の報告書にした事に意味が有る。日本では、環境報告書も社会貢献報告書もCSRの一環として、わが社は社会や地球環境の為にこんなにやっていますとPRするにとどまっており、正式な経営ツールにはなっていない。日本政府の特定機密保護法などは、その運用にあたっては役人が何を機密にするかを決められる全く時代に逆行している。 |
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カテゴリー : 他メディアより |
Posted By : dantesforest |
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