電気機関車を使った先端技術の蓄電システム
SNL-Finance 2014-01-17より、
太陽光や風力発電の再生可能エネルギーの欠点と言われる発電の途切れを補う為には、揚水型ダム、フライホイール、蓄電池などがあるが、いずれも大変高価である。電気機関車を利用した蓄電システムは大容量の上安価に実現できる。
再生可能エネルギーの間欠性を補う、蓄電池やフライホイールは即座に充電から発電に切り替えることができるが高価である。揚水型発電は切り替えに時間が掛る。不足電力を補う為にディーゼル発電機やガスタービン発電機を使うことが考えられるが、起動には数分の時間が掛る。電気機関車で電気を貯めると言われてもピンと来ないが、カリフォルニア州テハチャピの実験場では、その実験設備が試験運転中である。先端鉄道エネルギ―保存技術はカリフォルニア州サンタバーバラに本社を置く、ヴェレー電気協会が開発中のこのシステムは40億円の開発費を投じて50MWクラスの蓄電システム実験を重ねている。
使われている技術は、100年も前から存在する技術で電気機関車の回生制動の技術である。必要なものは、なだらかに傾斜した地形である。ここでは、全長約13kmのレールが平均斜度6〜8%で敷設されており、その軌道上を鉄とコンクリートで総重量を230トンにした電気機関車が坂を登ったり降りたりしている。
電気の需要が少ない時、電気の単価が安い時に電気を使って、電気機関車は自動で頂上へ坂を登って行く。頂上で待機していた電気機関車は、電気需要のピーク時や単価が高い時間になると自動的に坂を転がり下りて発電し、電力を送電線に送る。
一台の電気機関車は2MWの発電能力があり、24GWhの電力を蓄電できる。電気機関車は約25km/hの速度で、30分間の発電が可能である。発電までに掛る時間は5〜10秒と、蓄電池やフライホイールにはかなわないが、揚水発電所やガスタービンの起動時間よりも短く、価格も安価である。レールの長さをより長くすることで発電時間を長くする事ができ、電気機関車の数を増やす事で容量を増やす事ができる。
なだらかに傾斜した地形があれば、どこにでも建設が可能で環境負荷も最小の蓄電システムである。日本の様に起伏の多い地形の国ではあらゆる所に設置が可能である。このような、在来技術の応用でエネルギ―保存の方法が他にも考えられるのではないだろうか。
原文(英文)URL: http://www.snl.com/InteractiveX/Article.aspx?cdid=A-26542351-12594 |