電力会社はなぜアマゾンやアップルになれないのか?
NRG CEO Letter 2014-03-26
NRGエナジー社のホームページ3月26日にデビッド・クレイン(David Crane)NRGエナジー社CEOからの寄稿が目に付いた。NRGエナジー社(NRG Energy)はフォーチュン500に入る米国有数の電力会社で、全米16州に2百万の顧客を持ち、47GWの発電能力を持っている。
この株主への手紙として書かれた文面で珍しいのは、昨今の経営者には珍しく、自らの企業の有り方と業界全体の有り方に反省と批判が述べられている点である。彼は、電力業界にはなぜアマゾンもアップルもフェイスブックもグーグルも無いのかと問うている。彼はこの4つの企業を「ビッグ4」と呼び、自分の企業をこのような会社にしたいとしている。
クレインCEOは、この4社はそれぞれ異なった事業を行っているが、消費者が自分のパートナーだと思えるような企業を目指しているところが共通しているとし、自分の知り得る限り電力業界、エネルギー業界にはそのような企業が無い事を嘆いている。自らのNRGエナジー社も残念ながらその一つであるとしている。
そして、消費者が省エネに取り組んで地球温暖化の緩和に努力する時にエネルギー企業をパートナーとして考える事ができるようにならなければならないとしている。さらに、エネルギーを無尽蔵に使える国に住んでいる事を素晴らしい事だと考えるだけでなく、地球上の60億の人達にはそれが無いと言うことを変えて行く努力を消費者とエネルギー企業がパートナーとなってするようになるべきだと訴えている。
NRGエナジー社は目標を、消費者のパートナーになれるエネルギー企業としそれに向かって進んで行くので、他のエネルギー企業もそれに賛同して付いてきてもらいたいと同業者に訴えている。そうすることで、エネルギー業界からもビッグ4のような企業が生まれてくるとしている。
原文(英文)URL:http://www.nrgenergy.com/ceoletter/
この米国の電力会社のCEOの寄稿を、日本の電力会社の社長達に読ませたい。十社体制維持、発送電分離反対、原発維持、総括原価制度維持などを電事連と電力族議員と共に画策し続けている彼らには消費者のパートナー等と言う発想も無い。電気は電力会社が分け与えるものくらいに思っているのだ。 |