再生エネ目標遠く及ばず――公明前議員加藤修一氏に聞く
東京新聞2014-04-10より
中長期のエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画の政府案が自民、公明両党の協議で修正の上、了承された。超党派の自然エネルギー促進議員連盟（会長・高村正彦自民党副総裁）で顧問を務める公明党の加藤修一前参議院議員(66)に、党の対応の評価や政府案の問題点を聞いた。(聞き手＝宮尾幹成)
―政府案の印象は。
「冒頭から東京電力福島第一原発事故についての記述が大幅に削られた。福島の反省が足りない。
―公明党は2030年までに再生可能エネルギー割合30%を目指すと公約していた。政府案は原発事故前に掲げた数値目標「二割」を脚注で示し、本文でそれを「さらに上回る水準」とするにとどめた。
「『二割』には大規模水力発電が含まれるが『30%』には含まれない。大規模水力を除けば、政府の言う『二割』は党公約の半分でしかない」
―経済産業省は「大幅に上回る」という与党合意を拒否し、表現を弱めた。
「合意を政府が蹴ったのは問題で、悪い前例にならないか心配だ。公明党には、もう少し踏ん張って交渉してほしかった」
―公明党は高速増殖炉もんじゅの廃止も公約していたが、もんじゅを核のごみ（高レベル放射性廃棄物）を減らす国際研究拠点にする政府案を受け入れた。
「公約と違う。（核のごみを減らす）減容化は技術的に難しく、実現可能性の低い研究だ。もんじゅには既に１兆円以上の国費が投入されている。このまま続ければ『第二のもんじゅ』になりかねない」
―他に課題は。
「再生可能エネルギーの関係閣僚会議新設が盛り込まれた。位置付けを明確にするべきだ。その場限りで意見を聞くだけにしてはいけない」
かとう・しゅういち 北海道大学大学院で学術博士（地球環境経済学）取得。小樽商科大教授を経て1995年から昨年まで参議院議員３期。環境副大臣、公明党総合エネルギー政策委員長などを歴任。４月から京都大特任教授として「再生可能エネルギー経済学」の講座を担当している。
以上が、囲み記事でそのすぐ下の段に石井公明党政調会長の反論が載せられている。
「エネ計画案は公約と整合性」 公明党政調会長反論
公明党の石井啓一政調会長は９日の記者会見で、政府のエネルギー基本計画案が2012年の衆院選の党公約に反するとの指摘に対し「公約と整合性が取れた計画になっている」と反論した。
同党は公約で速やかな原発ゼロや高速増殖炉もんじゅの廃止、30年に再生可能エネルギーの割合を30%へ引き上げることなどを掲げた。
石井氏は、公約に原発ゼロの時期を明示していないことを踏まえ「基本計画は（今後）五年間の方向性を示すもので、五年間で原発ゼロを実現するのは現実的でない」と主張。再生エネの導入目標については「政府案の絶対量は（公約と）ほぼ同じだ」と指摘した。もんじゅに関しては「増殖ではなく、放射性廃棄物を減らしたり毒性を弱めたりする研究で活用する」と強調した。
公明党の2012年マニフェストには、はっきりと�仝業�ゼロをめざす��90年比でCO2排出量を25〜30%減らし、エネルギー自給率を20%にする��省エネ政策で一次エネルギー供給を2030年に25%減らす�ず謄┘佑�2030年に30%�イ發鵑犬紊惑兒澆秘陲辰討�り、今回の公明党が政府のエネルギー基本計画を了承したことは完全に公約違反である。
公明党2012年マニフェストURL:http://www.komei.or.jp/campaign/nipponsaiken/manifesto/policy03.php |
エネ基本計画了承
